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※画像はイメージです/PIXTA
従来、医師は「開業すれば一生安泰」といわれる職業でした。しかし超高齢化社会における患者増加にはじまり、医療費の減額や人材不足、昨今の物価高などを背景に、多くの病院・クリニックが経営難を強いられている状況です。このような状況下では効果的なマネジメントを行い、患者のニーズを勝ちとる必要があるでしょう。そこで本記事では、令和のいま、「患者に選ばれるクリニック」の共通点について、事例を交えてみていきます。
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医療業界(クリニック開業)の現状
厚生労働省の「医療施設動態調査」によると、診療所数は2024年現在で約10万5,000件と、約20年間で1万件も増加しています。また、新規の開設件数も増えており、特に東京都や神奈川県、大阪府など大都市圏で顕著な増加がみられます。
こうしたなか、超高齢社会の日本は医療費が年々増加傾向にあり、2024年時点で48兆円(前年比0.7兆円増)となっています。しかし、医療費を抑制する政策がとられ続けた結果、診療報酬の伸びは過去20年間抑制されているのが現状です。
クリニックの増加による競争激化と診療報酬の抑制、さらには近年の物価高による人件費や委託費、医療材料費等の高騰から、クリニックの収益性は悪化しています。
2年連続5%を上回る賃上げ率となった春闘などからもわかるとおり、全産業において賃上げ率が高水準となっています。一方、前述のとおり逆風吹き荒ぶ医療分野はこれに届いておらず、人材確保も難しい状況です。
いまや「クリニック開業=儲かる」というイメージは過去の話で、真剣にマネジメントを行わなければならない状況にあるといえるでしょう。
開業の失敗事例
開業後に成功が約束されていないいま、開業後なかなか患者が集まらず、苦戦が続くクリニックも見受けられます。
2023年に開業したある内科クリニックは、駅近物件に飛びつき、新型コロナが落ち着いた状況を見計らって開業します。
しかしながら、その駅は長引くコロナ禍の影響から、リモートワークなど就業形態の変化により、電車通勤が大幅に減少しており、患者の流れが変わっていました。つまり、駅近だから患者が集まるという状況ではなくなっていたのです。
また、近隣には競合する内科も存在し、それらに対して差別化も図れていなかったため、1年たっても患者は一向に増えず、このままでは経営が立ちゆかなくなる恐れすら出てきました。
充分なマーケティング(患者の流れやニーズ)や差別化のためのコンセプトを考えることなく開業してしまったことなどが失敗の要因と考えられます。
「選ばれるクリニック」の共通点
このような状況のなか、比較的上手くいっている診療所には共通項があります。それは「マーケティング戦略」にしっかり取り組み、自院の強みである「差別化コンセプト」をしっかりと理解し、実行に移していることです。
クリニックに求められるWeb戦略
「マーケティング」については、開業立地と同等かそれ以上に重要になっているのがWeb戦略です。ホームページのSEO(Search Engine Optimization)対策はもちろんのこと、SNS(LINEやInstagramなど)を活用して、潜在患者にネット上で働きかける必要があるのです。
また、最近ではスマホの普及からGoogleマップ上で上位表示させるMEO(Map Engine Optimization)対策も重要となっています。さらには、Googleの口コミによる診療所の選別が発生しており、悪い口コミが増えてレーティングが下がると、集患に影響します。
競合が増えて患者の取り合いが起きている状況では、ホームページやSNSを駆使して患者と双方向のコミュニケーションを行うことができなければ、患者は振り向かない時代になっているのです。
SNSを活用した集患事例
ある内科では、YouTubeで生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症)や腎不全(CKD)予防に関する発信を毎週行うことで潜在患者に働きかけ、YouTubeからの患者増につなげています。
また、ある眼科ではLINEと予約、問診を組み合わせることで、LINEの登録者数を増加させ、LINEのお知らせ機能を用いて白内障や子供の近視などの定期勉強会の情報発信を行うことで、潜在患者の掘り起こしにつなげています。
差別化コンセプトをどう届けるか
「差別化コンセプト」は、地域の競合医院と比較した「自院の強み」を考えることです。成功している診療所では、たとえば「大腸ファイバーが1週間以内にできる」「精神科で初診患者をすぐ診られる」「オンライン診療で診察し薬が自宅に届く」「栄養士とダイエットについて相談できる」など、他院と差別化できるストロングポイントを十分に吟味し、ホームページやSNSを通じてリアルタイムに発信しています。
建物や設備が立派なだけでは集患できない
立地がよくても、よい医療サービスを提供できる体制があっても、その情報が患者および地域住民に届かなければ、集患にはつながりません。
従来のように駅看板や電柱広告にお金をかけてたくさん設置しても、患者が見ているのはスマホの画面です。電車に乗ってスマホを見ている乗客がいかに多いことか。車でもスマホのナビゲーション機能を使って目的地に行く時代です。
そのような状況においては、WebやSNSによる集患が当たり前になっているのです。
また、発信する内容についても十分な検討が必要です。自院の強みを言語化し、患者に分かりやすい言葉で語りかける必要があります。
また、情報が届くだけでも不十分です。Webで注目されても、患者が実際に訪れなければ成功ではありません。
潜在患者が来院したいと思い、実際に診療所に来院するというアクションに移すためにも、前述の「LINEで勉強会に誘導」のように、SNSとイベントを組み合わせた動線設計を意識しましょう。
- 著者:
大西 大輔 MICTコンサルティング株式会社
代表取締役
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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