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※画像はイメージです/PIXTA
日本には、例えば山椒、紫蘇、柚子、そしてショウガなど古くから特有の香辛料≒スパイスがありますが、これらは料理に独特の風味を加え、料理の味覚、またその地域性を引き立てる「なくてはならないバイプレーヤー(名わき役)」の存在を果たしています。しかし、今回はスパイスが「主人公」となる代表的な料理「カレー」、その多様性と日本への定着まで。そして現在の発展までをみていきたいと思います!
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日本におけるカレーの歴史
カレーはもともとインド発祥の料理ですが、日本に伝わったのはイギリス経由。19世紀後半、イギリスの植民地だったインドからイギリスにカレーが伝わり、そこで欧風にアレンジされました。その後、1859年に横浜港が開港した際に日本に伝わりました。
明治後期には、日本陸軍や海軍でカレーが調理の手軽さと栄養バランスを考慮して採用されました。現在の海上自衛隊でも長期の航海時には曜日感覚を失わぬよう毎週金曜日にカレーが提供されるのも有名な話です。そして戦後、カレーは学校給食に取り入れられ、広く市民権を得ました。1950年代には固形カレールウが発売され、家庭でも手軽にカレーが作れるように。より簡単に家庭でカレーを楽しめるようになったのは1960年代にレトルトカレーが登場し、さらに普及が進んだこともあります。
◆現代のカレー
現在では、カレーは日本の国民食として定着しています。カレーは甘味、酸味、辛味、苦味、塩味の五味がバランスよく含まれており、複雑で豊かな味わいが楽しめること。また、日本のカレーは料理入門の「代表」といっても過言ではありません。 たとえ料理に自信がない方でも市販のカレールウを使えば、簡単に美味しいカレーが作れます。日本の家庭料理として広く親しまれる理由の一つでしょう。
また、家庭料理としてだけでなく、外食でも多種類のカレーが楽しめます。東京だと、神田、神保町、下北沢、吉祥寺などがカレーの聖地として有名で、全国区の有名店もあります。そして地域ごとに独特のカレー文化が発展していることも、国民食カレーの強さです。例えば北海道のスープカレー、大阪のカレーうどんやスパイスカレーなどが代表例ですね。
本格的なカレーに必要なスパイスは?
「市販のカレールウでは物足りない!」「もっと自分好みの味が欲しい!」というカレー好きの方は、スパイスの調合や追加で手軽に自分だけの味を追求できます。発祥の地インドのカレーをベースとするなら、以下のスパイスが基本でしょう。最近ではスーパーマーケットでも簡単に手に入りますよ。
クミン
カレーの香りの中心となるスパイスで、エスニックな風味を加えます。
コリアンダー
爽やかでスパイシーな香りが特徴で、カレーの香りを引き立てます。
ターメリック
カレーの黄色い色を出すスパイスで、土っぽい独特の香りがあります。
カルダモン
甘く爽やかな香りを持つスパイスで、カレーの風味を豊かにします。
シナモン
上品でエキゾチックな甘い香りを持ち、カレーに深みを加えます。
チリペッパー
辛味を加えるスパイスで、カレーの辛さを調整します。
ガラムマサラ
香りのミックススパイスで、クローブやナツメグが基本。肉の臭み消しが主な用途です。
◆もう少し、深いカレー沼へ誘うスパイスたち
上記のインドカレーベースでスパイスを活かすには、最初にテンパリングという「油でホールスパイスを中心に熱し、香りを移す工程」が加わります。具材を炒める前に加えると、一気に本格的になるのが以下のスパイスです。
フェヌグリーク
油で熱すると甘い香りが立ち昇り、野菜やチキンカレーなどに合います。
マスタードシード(ブラウンマスタードシード)
南インド系のカレーに欠かせない爽やかな辛味と香ばしさが加わります。
世界で親しまれているカレー
ここまでは、日本で最もポピュラーなインドカレーを基本に取り上げましたが、世界に目を向けてみると様々な種類のカレーがあることがわかります。最後に日本で特に親しまれている、インドカレー、スリランカカレー、欧風カレーそれぞれの特徴を見ていきましょう。

洋食屋のカレーというと、コクのあるビーフのソース。これがアレンジされて日本の食卓のカレーになった。
1. インドカレー
<特徴>
スパイスの多様性
インド料理(カレー)は非常に多種多様なスパイスを使用します。中心的に使われるものとしてはクミン、コリアンダー、ターメリック、カルダモン、クローブなどが一般的です。
地域ごとの違い
北インドカレーは濃厚でクリーミーな乳製品やナッツを使ったソースが特徴で、バターチキンやキーマカレーが代表的。主食はナンやチャパティといった小麦のパン類が中心です。
南インドカレーはサラサラとしたスープ状で、ココナッツミルクやヨーグルトを使用したカレー。そこにスープや漬物を添えたミールスと呼ばれる定食が代表的です。味は酸味と辛味が強いものが多く、主食も米や米を使った生地が多く使われることも特徴です。
なお、東インドはフィッシュカレー、西インドは菜食主義の方が多くベジタブルカレーが有名です。
具材のバリエーション
肉類(チキン、マトン※宗教禁忌で牛や豚は使わない地域が多い)や豆類、野菜を使用。野菜では豆のカレー(ダル)やほうれん草とチーズのカレー(パラックパニール)、肉ではバターチキンカレーやマトンキーマカレーが有名です。
2. スリランカカレー
<特徴>
ココナッツミルクの多用
スリランカカレーはココナッツミルクをベースにしており、マイルドでクリーミーな味わいが特徴です。
独特なスパイスたち
スリランカカレーは、カレーリーフやモルディブフィッシュ(鰹節のような干し魚)など独特のスパイスを使用します。これにより、深い旨味と独特の風味が生まれます。
ヘルシーな口当たりのものが多い
インドカレーに比べ油分が少なくココナッツミルクを使用するため、ヘルシーで軽い口当たりが特徴です。ただし仏教国でインドより食の禁忌が少なく、牛や豚も材料にします。
3. 欧風カレー
<特徴>
デミグラスソースの使用
欧風カレーは日本での「洋食」の代表格であり、デミグラスソースをベースにした濃厚でコクのある味わいが特徴で、濃厚さに負けない牛肉がメインの具材であることが多いですね。欧風カレー自体はインドの宗主国であったイギリスで生まれたものです。
とろみのあるソース
小麦粉を使ってとろみをつけるため、ソースが濃厚でクリーミーです。
日本独自の進化
欧風カレーは日本で独自に進化するなかで、ソースを使うフランス料理の技法を取り入れました。具材にはビーフやチキン、根菜類が使われ、隠し味にワインや乳製品、また醤油や味噌などの日本の調味料も使われます。もちろん固形ルーをベースに各家庭で工夫をした“秘伝の隠し味”も多くあるのではないでしょうか?
近年では数多くのスパイスが手軽に入手できることで、さらに大胆なアレンジカレーを出すお店も増えました。魚の出汁や、日本の山椒など「和食」と呼ぶべきカレーも市民権を得ています。南インド発祥、スパイス炊き込みご飯の「ビリヤニ」も日本米を使った商品がコンビニ発売され、マニアをうならせましたね。
いかがですか? カレーにはそれぞれ異なる魅力があり、食べ比べることで新たな発見もあるかもしれません。あなたが、カレーといってまず思い浮かべるのは、どの国の、誰が作ったカレーでしょうか。
- 著者:
シャープファイナンス株式会社
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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