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開業医が「運転手付きの高級車」を選ぶ”見栄ではない”理由【現役医師オーナーの声】

開業医が「運転手付きの高級車」を選ぶ”見栄ではない”理由【現役医師オーナーの声】

※画像はイメージです/PIXTA

街中で黒塗りの高級車を見かけると、「贅沢な車に乗っている」「自己顕示欲が強いな」と感じる人もいるかもしれません。しかし、開業医がこの種の車を送迎車として利用している場合、単なる“見栄”とは異なる理由があるようです。今回、実際に送迎車としてヴェルファイアを利用している開業医の武井智昭氏が、なぜその選択に至ったのか、実際に運用して感じるメリット・デメリットを正直に解説します。

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私が「運転手付きの送迎車」を日常利用するワケ

開業医の1日は、誇張ではなく“分刻みのスケジュール”です。診療はもちろんのこと、スタッフの管理や事務作業、関係各所との打ち合わせ、そして自身の研鑽のための学会活動など、やるべきことは尽きません。こうした状況において、最も忌避すべき事態は「時間の浪費」「予期せぬトラブルによる遅延」です。
自らハンドルを握って移動する場合、道路状況によるストレスはもちろん、駐車場の確保事故のリスクなど、常に不確定要素と隣り合わせになります。また、タクシーは配車の手間や待ち時間が発生しますし、ドライバーの質にもばらつきがあります。

●移動時間が”生産時間”に変わる

しかし、運転手付きの送迎車を活用することで、移動時間は単なる「移動」ではなく、「質の高い業務時間」あるいは「しっかり休息できる時間」へと変わります。さらに、専属の送迎車であれば、決まった時間に玄関前で待機しており、最短かつ最適なルートで目的地へ運んでくれます。
このように、自家用車やタクシーに比べ「確実性が高い」という点は、精神的安定と良好なタイムマネジメントにつながり、何物にも代えがたい価値があるのです。

●ドアのなかはプライバシーが守られたパーソナルスペース

また、「プライベートが保てる」という点もメリットだと感じています。診療後の疲れた状態で、誰の目も気にせずリラックスできる空間は貴重です。
電話連絡ひとつとっても、タクシー内では情報漏洩の懸念から患者様の個人名や機微な情報を口にすることは憚られますが、送迎車内であれば、秘匿性の高い通話やノートパソコンでの会議も安心して行うことができます。

"実質的な専用車"を手間なく持てる「共同所有」の仕組み

私が利用しているのは、個人でドライバーを雇用し車両を購入またはリースをするスタイルではなく、いわゆる共同所有に近い形態のサービスです。
これは、契約期間中は特定の車両とドライバーを専用車として利用できる一方、車両の維持管理やドライバーの労務管理といった煩雑な業務は、運行会社に一任できるという仕組みになっています。

●オーナーとしてフル活用できる、動くオフィスの効用

実際に私がどのように利用しているかというと、日常的な移動全般にフル活用しています。特筆すべきは、「動くオフィス」としての機能です。
ヴェルファイアの後部座席は広く、座り心地も抜群で、まるで個室の会議室にいるような快適さがあります。この環境を利用して、私は移動中に頻繁にオンライン会議を行っています。ノートパソコンを広げ、安定した通信環境のもとで、さまざまな業者や行政関係者、他の医師との打ち合わせを、集中して進めることができています。

自ら運転していれば不可能な「移動中の生産活動」が、送迎車内ではごく自然に行えるのです。その結果、診療所での時間を診療業務に集中させることができ、全体の業務効率は劇的に向上しました。

メリットとデメリット……このヴェルファイアは永遠ではない

私は送迎車の共同所有を長期間利用していますが、メリットは前述のとおり多岐にわたります。移動のストレスからの解放業務効率の向上プライバシーの確保……そしてなにより時間をお金で買うことで、生活の質が向上しているのを感じます。

●便利さの代償ー契約の縛り・更新コスト・所有欲に馴染まない仕組み

しかし、当然ながらデメリットやリスクも存在します。最大のデメリットとして挙げられるのは、「解約の難しさ」「契約の縛り」です。
こうしたサービスは数年単位の長期契約が前提となることが多く、財務状況が変わったからといって簡単に中途解約することはできません。もし解約するとなれば、多額の違約金が発生するリスクがあります。

また、車両の入れ替えに関する問題もあります。私の契約では5年ごとに車両が更新されることになっていますが、その際には新しい車両への切り替えに伴う手出し(追加費用)が発生します。
リースに近い仕組みでありながら、長期保有によるコストメリットを享受しにくい側面は無視できない点です。また同じヴェルファイアでも5年後には自動的に「別の車」に更新されるため、愛着を持って長く乗り続けるという“所有の喜び”はこの仕組みには馴染みません。

しかし、予期せぬアクシデントによる「利用不可期間」に痛感した実感もあります。先日、私の利用している車両が高齢者の運転する車に追突される事故に遭いました。幸い怪我はありませんでしたが、車両は修理工場行きとなり、結果として2週間ものあいだ、送迎車を利用できない事態に陥りました。
代車の手配にも時間がかかり、その間はタクシーや自家用車での移動を余儀なくされ、改めて送迎車のありがたみと、使えないときの不便さを思い知らされました。

費用対効果は?今後も所有を続ける?オーナーの本音

では、これらを踏まえたうえで、今後も所有を続けたいか。私の答えは「イエス」です。これからも継続して利用したいと考えています。
たしかに、毎月のランニングコストは安くありません。しかし、私にとって移動時間はもはや「捨て時間」ではなく、重要な「生産時間」です。1時間の移動中に会議を1本こなし、書類に目を通し、あるいは次の診療に向けて仮眠をとって英気を養う。
この時間の価値を金銭換算すれば、支払っているコスト以上のリターンは十分に得られていると感じています。

職業柄、突発的な対応を求められる場面も多く、心身ともにタフであることが求められます。そうしたなかで、移動に関するストレスを極限まで減らし常にベストな状態で現場に到着できる環境を整えることは、プロフェッショナルとしての投資であると捉えています。
「送迎用のヴェルファイアを所有している」という事実だけを見れば、贅沢に映るかもしれません。しかし実際には、送迎車は極めて実利的な「業務効率化ツール」なのです。

●送迎車は、医療の質を支え生産性を底上げする“合理的な投資“

開業医が送迎用のヴェルファイアを所有することは、単なるステータスの誇示ではありません。それは、限られた時間を最大限に有効活用し、医療の質を維持・向上させるための戦略的な投資です。自家用車にはない確実性とプライベート空間、そして移動オフィスとしての機能性は、多忙を極める医師にとって強力な武器となります。

もちろん、契約の縛りや事故時のリスクといったデメリットも存在しますが、これを上回る「時間の創出」というメリットを感じています。
今後も私はこの“動く執務室”とともに、日々の診療や公的業務、自己研鑽などに向き合っていく所存です。

著者:
武井 智昭
高座渋谷つばさクリニック 院長
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

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