暦を無視するように続く猛暑。水分補給は欠かせませんが、ペットボトルドリンクの選択肢では糖分、カフェイ…

暦を無視するように続く猛暑。水分補給は欠かせませんが、ペットボトルドリンクの選択肢では糖分、カフェインほか過剰な摂取となる不安が……そんな時に役立つのが「水出しのお茶」です。冷たく喉を潤すだけでなく、カフェインは抑えめ、糖分ゼロで肥満リスク、脱水のリスクも低減されます。さらに、バラエティ豊かな茶種による香りにはリラックスやリフレッシュの効果も期待でき、意外と手間をかけず作れるなどなど。
紅茶、中国茶、日本茶——同じ“チャノキ”から生まれた茶葉でも、種類ごとに効果や最適な淹れ方が違い、その味わいは無限大。日々多忙な診療の合間にこそおすすめしたい、冷茶の魅力をご紹介します。
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夏の冷たいお茶が心身ともにヘルシーな理由
冷たいお茶は、単なる水分補給以上のメリットがあります。特に水出しにするとカフェインやカテキンなどの苦味成分が抑えられ、口当たりは柔らかく、胃への刺激も少なくなります。糖分を加えずに楽しめるため、生活習慣病予防の観点からも好ましい選択肢です。茶葉から淹れることで経済的かつ環境負荷も小さく、ペットボトル飲料に頼らずに済みます。
前夜に仕込んでおけば翌朝すぐに持ち出せ、診療所スタッフとシェアするちょっとした楽しみにも。「午前中の覚醒」や「午後のリラックス」など、シーンに合わせて茶葉を選ぶことはストレス管理とメンタルケアにもつながります。
さらに、保冷機能付きのボトルや茶こし付きマイボトルなど、進化したツールを取り入れれば日常にちょっとした楽しみが増え、負担の少ない投資で趣味感覚のリフレッシュ習慣として続けられるのも魅力です。
水出し茶とアイスティー、それぞれの魅力と違い
水出し茶(コールドブリュー)のメリット
・カフェイン・タンニンが抑えられ、まろやかな味わい
・香りが穏やかで優しい
・火を使わず安全・エコ
・クリームダウン(紅茶の濁り)も起きにくい
■ デメリットとしては、抽出に数時間かかるため、事前の準備が必要です。また、香りや味が控えめになりやすく、茶葉選びが重要です。
アイスティー(お湯で淹れて冷やす)のメリット
・短時間で抽出できる
・香りや味がしっかり出る
・発酵度の高い茶葉に向いている
■デメリットとして、タンニンやカフェインが多く出るため、苦味や刺激が強くなることも。また、冷却の手間やクリームダウン(白濁)があります。

アイスティーは熱湯で淹れたお茶を冷やす(左)/水出し(コールドブリュー)は茶葉を水に付け込んで浸出
紅茶/中国茶(台湾茶)/日本茶それぞれの淹れ方
紅茶編:フレーバーティーで華やかに/古い茶葉は思い切って贅沢使い
紅茶は水出しに向かないと思われがちですが、フレーバーティーやアールグレイなどは水出しでも香りがしっかり立ち、華やかな一杯に仕上がります。また頂き物などで開け時を逃し、古くなりかけた茶葉などあれば惜しみなく贅沢に量を使って、香りがよりくっきりとでるので意外な個性や好みを見つけられることも。
タンニンの苦味を活かしたい場合は、熱湯で抽出してから冷やすアイスティーがおすすめです。軟水を使うことでクリームダウンを防ぎ、透明感のある美しいアイスティーが作れますよ。
紅茶(例:アールグレイ、フレーバーティー)
1Lあたり茶葉量:8〜10g
抽出方法:
・お湯抽出→冷却:熱湯で3〜5分 → 氷または冷水で急冷
・水出し:水に茶葉を入れて冷蔵庫で4〜6時間
ポイント・特徴:
・フレーバーティーは水出しでも香りが立つのでイチオシ
・アイスティーのクリームダウン(白濁)防止には軟水を使用
中国茶編:繊細な香りを楽しむなら水出しで
中国茶は種類が豊富ですが、水出しに向いているのは発酵度の低いお茶。たとえば、緑茶、白茶、ジャスミン茶、プーアル生茶などは、水に溶けやすい成分が多く、香り高くまろやかな味わいになります。また、時間はややかかりますが茶葉の上に氷を置いて、低温でじっくり香りを出せる氷出しも是非試していただきたい飲み方です。
一方、烏龍茶や紅茶、プーアル熟茶など発酵度の高いお茶は、お湯で抽出してから冷やす方が適しています。台湾茶では、高山茶や四季春、東方美人なども人気。氷出しでじっくり抽出すれば、香りの層がより豊かに感じられます。
中国茶(例:白茶、ジャスミン茶、プーアル生茶)
1Lあたり茶葉量:6〜8g
抽出方法:
・お湯抽出→冷却:熱湯 80〜90℃で1〜2分 → 氷で急冷
・水出し:水に茶葉を入れて冷蔵庫で4〜8時間
・氷出し:茶葉の上に氷を置き、自然解凍で抽出(6〜12時間)
ポイント・特徴:
・発酵度が低い茶葉が水出し向き
・発酵度が高い茶葉は、一杯ぶんを熱湯で淹れてから水出しの方法も
日本茶編:玉露の旨み、ほうじ茶の香ばしさ
日本茶も水出しに向く種類が多く、特におすすめなのが玉露茶。低温でじっくり抽出することで、旨みと甘みが際立ち、贅沢な一杯に仕上がります。高級茶葉ならではの繊細な味わいは、氷出しでより楽しめます。もちろん、普段使いの煎茶(緑茶)も水出しにすることで苦みがなく飲みやすくなりますので同じように淹れてみてください。
一方、ほうじ茶は焙煎された香ばしさが特徴で、水出しでは甘みは出にくいものの、香りを楽しむには十分。10gの茶葉を1Lの水に入れて冷蔵庫で6〜8時間抽出すれば、すっきりとした香ばしい味わいが得られます。食事中の飲み物としても相性が良く、カフェインも少ないので午後や夜のリラックスタイムにもぴったりです。
香りの良さでは同じく火を入れる釜炒り茶も、じっくり時間をかけた水出し抽出でグッと香りが立ち楽しめるお茶です。
日本茶(例:玉露、ほうじ茶)
〇玉露(または煎茶=緑茶)
1Lあたり茶葉量:6〜8g(氷出し10g)
抽出方法:
・水出し:冷水で2〜3時間(冷蔵庫)
・氷出し:茶葉の上に氷を置いて自然抽出(3〜6時間)
ポイント:
・甘み・旨みが強く、贅沢な味わい
〇ほうじ茶・釜炒り茶
1Lあたり茶葉量:8〜10g
抽出方法:
・水出し:冷水で6〜8時間(冷蔵庫)
ポイント:
・香ばしさが引き立つが、甘み旨みは控えめ

水出し緑茶に含まれるエピガロカテキンのマクロファージ食作用活性増強については農水省からもお墨付き。
■主要なお茶の製法による夏場の飲み方、向き不向き
茶の種類 | 水出し向き | 味の特徴 | おすすめの飲み方 |
---|---|---|---|
紅茶 | フレーバー系が特におすすめ | 華やかでまろやかな味わい | 水出しまたは熱湯抽出後に冷却 |
中国茶 | 緑茶・白茶など発酵度が低い茶 | 繊細で香り高い味わい | 水出しまたは氷出しでじっくり抽出 |
日本茶 | 玉露は◎、ほうじ茶は△ながら可 | 甘みや香ばしさが引き立つ | 水出しまたは氷出しで丁寧に抽出 |
水出しにすることで、どの茶葉も苦味が抑えられ、まろやかで飲みやすくなります。そして例えば……朝の目覚めにキリッとしたアイスティー、午後のリラックスに香り高い水出しの中国茶、食事中にはすっきりとした日本茶、など、シーンに合わせて選べる楽しみも広がります。
※夏場の注意事項/水出しの場合:
・茶葉を10時間を超えて入れっぱなしにしないこと、一日で飲み切ること
・夏場は室温などに置く場合は特に、茶葉を取り除き早めに飲むこと
・心配な時は、熱湯で一煎目を淹れ、熱を通した茶葉を水出し用にする方法も。
容器や茶葉の保存状態によっては細菌の繁殖も起こりますので、冷温を保てる環境にない場合はお気を付けくださいませ。
お気に入りのお茶で、夏をもっと快適に
冷たいお茶は、単なる水分補給にとどまらず、ライフスタイルの一部として取り入れられる存在です。茶葉の個性を知り、抽出方法を工夫することで、日々の仕事や暮らしの中に「ひと息つける時間」をつくり、マインドの切り替えやリラックスに役立てることができます。
翌日の予定に合わせて香りや淹れ方を選んで仕込んだり、マイボトルで持ち歩いたり。お気に入りの香りに包まれるひとときは、診療の合間のクールダウンにも最適です。まだしばらく続く暑い季節、相性の良いお茶が心と身体を涼やかに整えてくれるでしょう。
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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