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【徹底解説】事業承継した企業とそうでない企業~二極化の現状を踏まえて~

【徹底解説】事業承継した企業とそうでない企業~二極化の現状を踏まえて~

※画像はイメージです

2023年版の「中小企業白書」によれば、経営者年齢の上昇に伴って、事業承継を実施した企業と実施していない企業との間で二極化が起きていると示されています。そこで今回はその違いについて考察し、経営者が取るべき対策をみていきます。

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二極化の現状

【徹底解説】事業承継した企業とそうでない企業~二極化の現状を踏まえて~

(図1)年代別に見た、中小企業の経営者年齢の分布(出典:経済産業省ウェブサイト)

まず、経営者の年齢分布について現状を確認します。図1は、年代別に見た中小企業の経営者年齢の分布です。これを見ると、ピークの頂点が徐々に右(高齢化)に進み、また頂点が低く(減少傾向)なっているのが分かります。2000年 に経営者年齢のピークが「50~ 54歳」であったのに対して、2015年には経営者年齢のピークは「65~69歳」となりました。また2020年を見ると、経営者年齢の多い層が 「60~64歳」、「65~69歳」、「70~74歳」に分散しており、2022年も同様の傾向を示しています。 これまでピークを形成していた団塊世代の経営者 が事業承継や廃業などにより経営者を引退していることが示唆されています。一方で、75歳以上の経営者の割合は 2022年も高まっていることから、経営者年齢の上昇に伴い事業承継を実施した企業と実施していない企業で二極化が進んでいる様子が見て取れるグラフと言えます。

日本企業の後継者不足は深刻な社会課題であり、後継者の不在率は減少傾向で推移するなど明るい材料も見られる一方で、2022年度の「後継者難倒産」は過去最多の487件を数え、足元では既に経営リスクとして顕在化しています。

経営者が取るべき3つの対策とは?

以下の3つを念頭に承継に向けて対策をしていきましょう。

1.事業承継は時間が掛かると認識する
2.自社の現状を適切に把握する
3.後継者の選定方法を知る

1. 事業承継は時間が掛かると認識する

中小企業庁が公表した「事業承継ガイドライン」では、 事業承継に必要な期間は後継者の育成も含めて5~10年 とされています。事業承継を始めるにあたっては、どれくらいの期間がかかるのか把握しておくことが重要です。事業承継は後継者さえ見つかればすぐに実施できるというものではなく、長い期間をかけて進めていく必要があります。

2. 自社の現状を適切に把握する

事業承継に際して起こりうる課題を洗い出し、最も適任な後継者を選ぶためには、会社の現状をきちんと把握することが大切です。そのためには、以下のような項目について確認する必要があります。会社が置かれている状況はもちろん、事業承継前に解決すべき問題も見えてくるので、具体的な対策を講じやすくなります。例えば、大きな負債を抱えていたり、赤字経営が続いていたりする場合、後継者候補から承継を拒まれる可能性が高いため、事前に経営状況を改善することが求められるでしょう。

・決算書の内容
・キャッシュフロー
・後継者候補の有無
・業界内における会社の競争力
・法定相続人
・相続時に懸念される問題点

3. 後継者の選定方法を知ろう

後継者の選定方法としては、おもに以下の3点が挙げられます。

(1)親族内承継
現経営者の子をはじめとした親族に承継させる方法です。 一般的に他の方法と比べて、内外の関係者から心情的に受け入れられやすいこと、後継者の早期決定により長期の準備期間の確保が可能であること、相続等により財産や株式を後継者に移転できるため所有と経営の一体的な承継が期待できるといったメリットがあります。

(2)従業員承継
「親族以外」の役員・従業員に承継させる方法です。経営者としての能力のある人材を見極めて承継させることができること、社内で長期間働いてきた従業員であれば経営方針等の一貫性を保ちやすいといったメリットがあります。

(3)社外への引継ぎ(M&A)
株式譲渡や事業譲渡等により社外の第三者に引き継がせる方法です。 親族や社内に適任者がいない場合でも、広く候補者を外部に求めることができ、また、現経営者は会社売却の利益を得ることができる等のメリットがあります。さらに、M&Aが企業改革の好機となり、更なる成長の推進力となることもあります。

事業承継後の満足度を高めるには

【徹底解説】事業承継した企業とそうでない企業~二極化の現状を踏まえて~

(図2)先代経営者との事業承継後の処遇に関する対話状況別に見た、先代経営者の事業承継後の関与に対する満足度 (出典:経済産業省ウェブサイト)

事業承継後の満足度を高めるには 、ゆとりある話し合いの時間が必要です。図2は、先代経営者と後継者事業承継後の先代経営者の処遇に関して、しっかりと話し合いが行えたかどうかで、先代経営者の満足度の違いを調査したデータです。これを見ると、先代経営者の事業承継後の役割等について「十分話し合った」と回答した企業は、事業承継後における先代経営者の経営に対する関与 について「満足」と回答する割合が 68.0%と最 も高いことが分かります。 後継者は先代経営者と事前に十分 に対話を重ね、自社に合う形で先代経営者の事業承継後の役割等を検討しておくことが、満足度を高める上で重要だと示唆されています。

おわりに

事業承継は、中小企業にとって重要な課題です。経営者は、早い時期から事業承継の計画を立て、後継者の育成に取り組む必要があります。

シャープファイナンスでは社外への引継ぎ(M&A)をお手伝いしております。お困りごとがございましたら、ぜひご相談ください。

著者:
シャープファイナンス株式会社 プラットフォーム事業推進室
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

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