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医業承継をするにあたり知っておきたいポイント【後編/買い手編】
※画像はイメージです/PIXTA
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1. 特徴
従来であれば開業する場合、新規で開業しゼロから集患を行う、いわゆる新規開業が主流でありましたが、開業医の高齢化が進むとともに、年々承継開業の件数が増えています。承継開業は新規開業に比べ、初期投資を低く抑えることができ、また患者を引継ぐことができるので、開業直後の集患面においても優位となります。したがって今後、承継開業の件数が益々増えることかと思われます。
2. 承継開業のメリット
承継開業のメリットとして以下のメリットが挙げられます。
経営面
開業直後に「患者が来院してくれるのか」どうかが重要なポイントとなります。一般的に開業直後は、軌道に乗るまで資金繰りが苦しいですが、承継開業であれば、既存クリニックの患者を引継ぐことが見込めますので、安心して診療に集中することができます。
ローコストでの開業
直近1,2年で開業に必要な予算が急激に上昇しています。クリニックの内装工事代は一昔前より1~2倍上昇していますし、医療機器の価格についても上昇しています。新規で開業するとなると、クリニックの内装工事代や医療機器(戸建開業の場合には、不動産購入コストを含む)を自ら調達する必要があり、初期投資のみで1億円を超えることも少なくありません。一方で承継開業であれば、内装や医療機器を既存クリニックより引継ぐことが可能となるため、初期投資を大幅に抑えることができます。
採用面
現在人手不足が顕在化しており、医療業界においても例外ではありません。特に新型コロナ感染症流行後において人手不足が深刻となり、いずれのクリニックも採用面で苦戦しています。しかし承継開業であれば、既存クリニックの経験豊富なスタッフを引継ぐことができるので、当面は採用面で苦労することはないかと思われます。
3. 留意が必要なポイント
このようにメリットが多い医院承継ですが、留意すべき点があります。
デューデリジェンスの必要性
デューデリジェンスとは、既存クリニックの価値やリスクの調査を行うことで、クリニックの財務の正確性や表面化していないリスクを調査する手段となります。クリニックの財務状況やリスクを調査することは、譲渡価格の妥当性についての判断材料になりますし、何より将来のリスクを把握し、医院承継の妥当性を判断することは今後の経営にとって重要となります。
診療圏の調査
既存クリニックの患者を引継ぐことができるとはいえ、今後の安定した医院経営のためには新規の患者を増やしていくことが大切になります。既存患者の属性を把握しながら、今後どのような集患をしていくべきかの戦略を立て、候補となる開業予定地でどの程度の患者数が見込めるかを調査し、競合の有無をチェックしましょう。
4. おわりに
承継開業は比較的少額な投資により開業できますが、既存クリニックを引継ぐが故にリスクも孕んでいます。悔いのない開業を進めるためにも専門家にご相談されることをお勧めします。
- 著者:
日本クレアス税理士法人
執行役員/中川 義敬 税理士(近畿税理士会所属)
【経歴】2007年税理士登録、2009年に日本クレアス税理士法人入社。
現在に至るまで、東証一部上場企業から中小企業・医院の税務相談、税務申告対応、医院開業コンサルティング、組織再編コンサルティング、相続・事業承継コンサルティング、経理アウトソーシング、決算早期化等に従事。
医院の新規開業支援、会計税務、医業承継・相続対策など、個人医院から大病院までをサポートしてきた医療分野での高い経験を生かすため、2019年7月大阪本部 本部長に就任。現在に至る。
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- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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