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画像はイメージです。
高齢者とペットが共生できる社会に向けて
前回(リンク)は、人と動物の共生社会の将来像についてお話させていただきました。
人と動物の共生社会には様々なメリットがありますが、今回は「高齢者とペットの共生」についてお話します。
高齢者を取り巻く環境
一般的に高齢者は、外出機会が少なく、運動不足やコミュニケーション不足になりがちです。言うまでもなく、これらは心と体の健康に良い影響をもたらしません。
また、2020年から流行している新型コロナウイルス感染症は、高齢者の外出機会を減らし、さらに社会からの孤立や健康への悪影響が心配されます。
ペットが高齢者にあたえる好影響
そういった高齢者にとって、ペットの存在があったらどうだったでしょうか?
犬を散歩し、散歩仲間と会話をする、SNSなどのコミュニティで情報交換する、猫を世話する事で心の安らぎにつながるなど、身体に良い結果をもたらしたでしょう。
海外では、ペットとの共生が高齢者の身体に良い変化をもたらすことが証明され、いくつもの論文が発表されています。
例えば、ペットを飼っている高齢者の方が、血圧が正常であり、心筋梗塞発症後の回復率が高く、認知症の改善が見られ、ストレスに対する耐性があるなどが挙げられています。
この事は高齢者が自立して生活する事につながり、社会的なメリットも大変大きいのです。
一方で、高齢者がペットと暮らすには、いくつもの課題があるのも事実です。
高齢者がペットと暮らす上での課題
ひとつには、ペットよりも先に自分が死んでしまうかもしれないという問題があります。
ペットの平均寿命は約15歳です。日本人の平均寿命を85歳とすると、70歳をすぎると、ペットを飼うのに相当の覚悟が必要になります。
最後まで面倒をみられないという課題を解決するためにペット信託というものもあります。また、飼えなくなった場合に、信用できる里親先を紹介する制度や、老犬ホーム、ペットのホスピスなどとの連携も必要でしょう。
他にも動物病院、ペットホテルやトリミング、散歩代行、ペットシッター、送迎サービスなど様々な動物関連業の利用しやすさも必要かと思います。
さいごに
ペットを飼うことが高齢者にとって、どれだけメリットがあるかは理解してもらえたと思いますが、まだまだ日本は欧米に比べ、人と動物の共生社会という点では遅れているのです。
日本は今、社会全体がペットを飼うことのメリットを知り、「人と動物の共生社会とは何か」を社会全体で考える時代にあるのではないでしょうか?
次回は「子供とペットの共生」についてお話させていただきます。
- 著者:
中村泰治
小滝橋動物病院グループ代表
一般社団法人Living in harmony with pets代表
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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