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画像はイメージです。
使役犬の活躍と今後の課題
前回(リンク)は、高齢者とペットの共生によるメリットについてご紹介しました。
最終回となる今回は、使役犬の活躍と今後の課題についてご紹介したいと思います。
最も知られている盲導犬の状況
まず、最も知られている使役犬である盲導犬。日本における盲導犬の頭数は足りないのが現状です。2022年現在、全国で約850頭(日本補助犬センターHPより抜粋)の盲導犬が活躍しています。しかし、盲導犬を必要とする方はまだまだ多く、約3000人が希望されているとも言われています。
今年初めに、私は盲導犬協会の方々とお話しする機会があり、盲導犬を増やすための課題を伺ってきました。まず、育てるのにかかる労力やコスト、パピーウォーカーやリタイヤ犬のボランティアの問題など具体的な話もありましたが、その後にお話にあがったのが、盲導犬に対する社会的な協力や許容が欧米に比べ、日本は遅れているということでした。
その他の使役犬の状況
聴導犬や介助犬なども比較的知られている使役犬ですが、こちらはまったく少なく、それぞれ100頭もいないのが現状です。
一方、最近ではセラピー犬も注目されています。セラピー犬とは、介護施設や精神科、小児科病院などで、病気を抱えた方や、心のケアが必要な方と直接触れ合う使役犬のことです。実際に患者さんの心が前向きになり、病気の経過が良くなるケースがあります。
使役犬の課題
第2回の本コラム「高齢者と動物の共生」でも紹介させていただきましたが、人と動物が接することで、身体に良い変化をもたらすことがいくつかの論文で証明されています。
さまざまな方面で活躍する使役犬ですが、日本では衛生面の観点から飲食店や、コンビニ、病院、宿泊施設などで受け入れ拒否されることがあります。ペット先進国であるアメリカではすでに使役犬がどこでも一緒に行動でき、入店拒否されることはほとんどありません。アメリカでは、盲導犬だけでも日本の10倍以上の1万頭が活躍しており、こういった違いが、日本における使役犬の増加につながらない一因とも考えられます。
アメリカや欧米などのペット先進国と比較すると、まだまだ日本は、ペットの飼いやすい社会とは言えず、飼い主さんのモラルの向上や飼ったことのない方の動物に対する理解や許容も高めなければならないと感じます。そして、ペットとの共生という観点から、ペット可の賃貸住宅の数やペットと一緒に入れる施設の数も増やしていくことも大切だと感じています。
心身ともに豊かになるために
経済的に豊かである日本ですが、心身ともに豊かになるためにはペットを飼うことはとても良いことだと思います。これから、使役犬が増えたり、ペットを飼う方が増えたりするためには、その土台づくりが今は大切なことなのだと感じています。
- 著者:
中村泰治
小滝橋動物病院グループ代表
一般社団法人Living in harmony with pets代表
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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