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社会貢献しながら「利回り12%」…アパート・マンションではない「意外な不動産投資」

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社会貢献しながら「利回り12%」…アパート・マンションではない「意外な不動産投資」

画像提供:三井ホーム株式会社

なんとなく駐車場にしていませんか?

特段活用する予定のない遊休不動産……「なんとなく駐車場にしている」という人も少なくありません。
一部の地主・投資家から注目されている遊休不動産の活用方法として、「クリニック・医療モールへの建て貸し」があります。
三井ホームの施設事業本部・事業推進室・営業推進グループのマネージャーである田中哲也氏に、クリニック・医療モールへの建て貸しが注目されている理由と、具体的な収支シミュレーションについて話を聞きました。

医師と地主…それぞれが「建て貸し」に注目するワケ

近年、医師がクリニックを開業するにあたって、「建て貸し」を活用するスタイルが注目されています。

建て貸しとは、土地の所有者が建物を建設し、その建物を貸すという賃貸形態のひとつです。建物は、賃借人の希望を取り入れた仕様なので「オーダーメイド賃貸」と呼ばれることもあります。

クリニックの場合、土地オーナーが開業を希望する医師の意向に沿って建物を建て、医師がそれを借り受ける契約を結びます。

医師の側からすると、土地購入や建築費用をかけずに、自らの理想とする設計のクリニックを低リスク、低コストで実現することができます。

他方、地主側は遊休不動産の活用法として、医師という社会的信用の高い相手に貸すことで、長期的に安定した運用が期待できます。

実際、クリニックの建て貸しの現状はどのようになっているのでしょうか。「ドクターズレントハウス」のブランド名でクリニックの建て貸し事業を展開している三井ホームの田中哲也氏は次のように説明します。

田中氏「当社のドクターズレントハウスに関して言いますと、クリニックの建て貸しが成立するのは基本的に大都市圏に限られます。首都圏、関西圏、名古屋、福岡、仙台などで、クリニックの8~9割は郊外の駅から少し離れた住宅街に立地しています」

クリニックというと、駅前の人通りの多い場所のほうが、経営的にも有利に思いますが、そうとは限らないようです。

田中氏「大都市圏の主要な駅前にはすでにクリニックが密集していて競争が激しく、新しく開業するのは経営的に難しくなっています。一方、駅から離れた住宅地では、既存のクリニックがほとんどないので、診療科目にもよりますが、患者がかなり見込めます。患者も自宅近くのほうが通院しやすい。そこで近年は、郊外の住宅地の好立地に場所を探されるドクターが増えています」

住宅地での開業に向いている診療科の傾向はあるのでしょうか。

田中氏「診療科としては、生活習慣病などを診る内科全般、整形外科、小児科、眼科、耳鼻科、歯科などが向いており、逆に美容外科やリウマチ・膠原病など専門特化した診療科は住宅街にはあまり適しているとはいえません。

最近の傾向としては、脳神経外科が増えていることがあります。専門性の高い科目ですが、MRIを入れるクリニックが多く、駅前のビルなどには重荷重な医療機器は構造的に入らないため、戸建てを選択されるドクターが増えているのです」

社会貢献しながら「利回り12%」…アパート・マンションではない「意外な不動産投資」

三井ホーム株式会社 施設事業本部・事業推進室・営業推進グループ 田中哲也マネージャー

地主がクリニックを建てる理由、メリットとは?

医師が開業するにあたって、住宅地での「建て貸し」を活用するメリットは多いようです。一方で、地主がクリニックを建てる理由、メリットはどこにあるのでしょうか。

田中氏「第一のメリットは、長期安定収入が期待できることです。開業医は社会的信頼が高いですし、クリニックは商業施設などに比べ撤退するリスクが低い。また、アパートやマンションよりも高い賃料設定となるため、その分高い利回りも期待できます。

2番目として、地主の方のなかには、医療を通じて地域社会に貢献をしたいという方も多くいらっしゃいます。実際、賃料を下げてもかまわないから、開業医に入ってもらいたいと希望される地主の方もいます」

とはいえ、住宅街に土地を持っていても、クリニックに向く土地・向かない土地があるといいます。

田中氏「駅からの距離はさまざまで、駅徒歩10~15分圏もあれば、バス利用の場所もあるため、駅からの距離は重要ではありません。クリニックに向く土地としていくつかのポイントがあります。第一は診療圏調査の結果、十分な数の患者が見込めることです。次に視認性のよさ。比較的大きな道路に面しており、車でのアクセスが便利なことです。さらに、周辺に商業施設や公共施設などがあり、人の往来が多い場所はクリニックに向いています」

土地の広さについてはどうでしょうか。

田中氏「診療科によりますが、40坪~80坪程度が標準です。大規模な土地を有している地主の方の場合、当社ではクリニックビレッジと呼んでいますが、数百坪~1,000坪の土地に、3~5科目のクリニックを誘致するケースもあります。

地主の方が全クリニックを建てて、それぞれ個別に賃貸契約を結びます。患者は1ヵ所で複数の科目を受診できる利点がある上、クリニック同士の相乗効果が生まれ、ビレッジ全体の収益力向上が期待できます。当然、地主の方はより安定した資産運用が可能になります」

クリニックへの建て貸し…収益性は

続いてクリニックの建て貸しの収益性について、三井ホームのドクターズレントハウスのシミュレーションを見てみましょう。たとえば敷地面積400㎡(駐車場5台含む)の所に内科クリニック(2階建て1棟、薬局併設)を建てる場合、順調に進めば工事費7,700万円、賃料(月額)77万円、契約期間20年として、表面利回り12.00%(20年平均)も見込める可能性があるといいます。

田中氏「場所にもよりますが、アパートやマンションでは表面利回りは5%~8%程度ですから、同じ場所で安定して10~12%の利回りが見込めるとご説明すると、多くの地主の方が関心を持たれます」

一方、土地オーナーにとって、クリニックの建て貸しには、どのようなリスク、デメリットがあるのでしょうか。

田中氏「地主の方が最も心配されるのは、クリニックの経営不安です。そのため当社のドクターズレントハウスは、基本的に15~20年の長期の定期借家契約を結びます。また、中途解約の場合は違約金が発生するため、地主の方にとってはその点も安心材料となります。

さらに、経営破綻した場合に備え、開業医には各種保険に加入していただくなど安全性を担保しています。ただ実際のところ、クリニックは普通に経営をしていれば破綻することは少なく、当社(三井ホーム)も過去に経営破綻したクリニックは1件もありません」

もうひとつの土地オーナーの不安は、契約終了後だといいます。

田中氏「クリニックは、医師の希望する設計プランで建てますから、契約終了後に閉院される場合、建物をほかに転用しにくいのです。ですから閉院が決まった場合は、その1年前くらいから開業希望の医師を探して、事業承継してもらうケースが多いです。

安定経営していたクリニックは、患者がついていますから、同じ診療科目で新規開業する先生は集患の心配がなく、経営を早期に軌道に乗せられるメリットがあります。事業承継の形で開業を希望されるドクターは少なくないので、比較的スムーズに進みます。地主の方も、空室期間がないため非常に喜ばれます」

前述したように、クリニックの建て貸しは高い利回りが期待できます。そのため最近は、土地オーナーではない一般の投資家からも注目されているようです。投資家が土地を買い、クリニックを建てて貸し出すのです。

田中氏「当社でも東京・多摩地域などで手がけています。アパートやマンションに比べて賃料が高いので、投資家にとっても魅力的な資産運用法のひとつとして、注目されているようです」

ここまで見てきたように、開業医向けのクリニックの建て貸しは、土地活用の有力な方法のひとつです。遊休不動産の有効活用に頭を悩ませている、アパートやマンションへの投資に物足りなさを感じている地主にとっては、検討する価値が十分あるといえそうです。

著者:
株式会社幻冬舎ゴールドオンライン
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

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