クリニックを開業するにあたり、一番気になってくるのが全体のスケジュール。様々な工程があるものの『どれ…

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事業計画の正しい作成手順とその役割、留意点とは?
事業計画書が金融機関からの資金調達のための書類となってしまうことが多く見受けられます。
しかし、事業計画書の本来の目的は、先生ご自身がどんなクリニックを設立し、どのように運営していくかについての経営判断に活かすことにあります。
開業を決意した時に、最初にやるべきことは?
最初に「クリニックのコンセプト(経営理念)」を明確にすることが、開業を成功に導く大事なポイントです。
逆にコンセプトが決まっていないと、「どんな場所で」、「どの程度の規模で」、「どの医療機器を入れるか」、「どんな人を雇うか」といった諸々の事項で迷いがちになります。
最初にコンセプトが定まることで開業準備における色々な意思決定もスムーズに進むことになります。
コンセプトが固まったら次はロゴマークの作成を!
コンセプトが定まったら“ロゴマーク”も作っていただきたいです。
看板、ホームページ、募集広告、診察券…、そういったものを制作する時には、「こういうクリニックです」という先生の熱い想い(パッション)を、ロゴマークが象徴となって相手に自然に伝えることが出来るからです。それにより、クリニックのアイデンティティ戦略が自然に生まれてきます。それがぶれない開業準備にも繋がっていくことにもなります。
設備投資は調達額に応じて引き算で最低限に
設備投資は、自身の夢と理想を追求し、最初は必要なものを全てピックアップします。その後、資金調達に応じて予算配分が決まった時点で改めて圧縮する必要が生じるため、引き算でメリハリをつけつつ調整することになります。
設備投資は、最初にすべてを揃えるのではなく、2段階、3段階の拡張型とし、将来を見据えた拡張用スペースをあらかじめ設けておくことが賢明な戦略といえます。
運転資金を必ず手厚くする
開業当初で患者数が少ない場合には、運転資金が充分に確保できていないと資金ショートの不安から精神的に厳しい開業を余儀なくされることになります。
よって、運転資金融資については可能な限り最大限の借入金で計画を立て、将来、軌道に乗った段階で繰り上げ返済をすることも目指すべきです。返済期間も最長期間で、返済方法も「据え置き」型で設定することも重要です。
要は、開業当初は潤沢な運転資金を確保するためにも、支出を出来るだけ抑えるような計画が重要です。
運転資金には住民税、住宅ローン、学費も忘れずに
運転資金には先生の住宅ローンや子供の学費などの生活費も忘れずに含めて計画する必要があります。特に住民税は前年の所得に対して課税されるため注意が必要です。
また、災害等といった将来の予測不能なことも想定されます。こうしたまさかの緊急時に備えて「予備費」といったものを別の口座に設けておくとさらに安心といえます。事業計画が綿密であれば、安心できることになり、診療に専念できる開業になるということです。
- 著者:
丹羽正裕(にわ まさひろ)
丹羽会計事務所代表税理士・行政書士
一般社団法人 あんしん相続・事業承継サポート協会 理事長
医療機関を中心に税務や相続対策のコンサルタントとして活躍するとともに、執筆・講演活動を精力的に行っている。「情熱」と「顧客本位」を信条として、クライアントの期待に「誠意」をもって応える「丹羽会計事務所」の代表税理士
著書に、「はじめての相続ABC」(共著、日本相続出版社)、「もめない相続ABC」(共著、日本相続出版社)、「ラクに読めてよくわかる はじめての相続・贈与」(共著、明日香出版社)、「Q&A相続の上手な対処法」(共著、プログレス)、「Q&A事業承継の上手な対処法」(共著、プログレス)など多数ある
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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