東京都、千葉県、神奈川県の3つの都道府県に面した広大な東京湾。(湾内には70以上の人口島があり、多く…

※画像はイメージです/PIXTA
クリニックを開業するためには、土地や建物、または賃貸物件の探索、建築や内装工事の見積もり、医療機器や医療材料の購入などが必要です。そのために何よりも必要なのが開業資金。医師の中には全て自己資金で賄える方もいらっしゃるかもしれませんが、多くの医師は金融機関などからの借入を検討することになります。そこでどの程度の開業資金が必要か、どのくらいの資金を用意しなければならないのかという観点から、日本クレアス税理士法人/執行役員の中川 義敬税理士が解説します。
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【1】診療科別の開業資金について
診療所の開業資金は、開業後の運転資金も合わせておおよそ5,000万円から1億ほどが必要とされていますが、診療科目によっても異なります。診療科別に開業資金の目安をまとめましたので参考にしてください。

【2】資金調達先の種類について
公的融資:日本政策金融公庫からの融資
利率が低いことがメリットです。融資上限額は設備資金の場合最大7,200万円(うち運転資金が4,800万円)の融資が受けられます。返済期限は最長で20年と長く、元本返済を据え置く最初の2年間は支払利息のみの返済も可能です。また他の金融機関よりも無担保、無保証での融資が受けやすいです。
制度的融資:信用保証協会に保証してもらう
信用保証協会の保証を利用して民間の金融機関から融資が可能ですが、保証料が別途発生します。
プロパー融資:民間の金融機関からの融資
大手銀行や地方銀行、信用金庫から融資を受けます。融資を受けるための担保や保証人が原則必要となります。ただし最近では開業医ローンやクリニックアシストなど新規開業に特化した貸出商品や無担保の開業サポートなども用意されています。
その他
(独)福祉医療機構からも融資が受けられます。融資額も大きく、返済期間も長いですが融資の条件や要件があります。新規開業時に全ての医療機器を一括で購入せず、一部分をリース契約にすることで初期費用を抑える効果があります。リース契約の場合、毎月定額のリース料を支払いますので、資金計画が立てやすく、特に開業時に充分な運転資金での経営をする為にはリース契約の検討も必要です。
【3】事業計画書の作成について
開業資金の金額がだいたい固まったとしてもすぐに資金が調達できるわけではありません。資金を調達するためには綿密な事業計画書の作成が必要です。
融資する側としては、返済能力があるかの判断が必要となる為、経営実績・担保・保証能力・事業計画書などが融資する判断材料となります。新規開業の場合は経営実績が無い為、特に事業計画書が重要となってきます。
まず収入と経費の計画を立て、医療損益や資金繰りのシミュレートをしていきます。
開業資金は設備資金と運転資金で構成されていますので、融資を受けるためには、どのぐらいの開業資金が必要かを算出し、返済可能な事業計画書を作成する必要があります。
【4】円滑な資金調達のポイント
(1)資金調達で困ること
・担保がないこと
・担保があってもローンが残っていること
・保証人がいないこと
・自己資金が少ないこと自己資金0円で融資を受けることは難しいため開業資金の2割程度の自己資金を用意する必要があります。
(2)利率より返済期間が大事
利率を重視せず、返済期間を重視することが重要です。
返済期間が長ければ月々の返済額が少なくなります。利率を優先して返済期間を短くすると数年後に資金繰りがショートする可能性があるため、できる限り返済期間を長くすることがお勧めです。
(3)融資してもらえる事業計画とは
・明確な医院経営のビジョンを数値化すること
・実行出来うる計画を立てること
開業準備をしながら事業計画書の作成や、融資先と融資の話し合いを1人で行うことは大変難しいです。是非、医療に特化した税理士にご相談ください。
事業計画書作成のサポートや融資先との話し合いを代わって行います。また開業後の会計や税務のサポートも致しますのでご検討下さい。
- 著者:
日本クレアス税理士法人
執行役員/中川 義敬 税理士(近畿税理士会所属)
【経歴】2007年税理士登録、2009年に日本クレアス税理士法人入社。
現在に至るまで、東証一部上場企業から中小企業・医院の税務相談、税務申告対応、医院開業コンサルティング、組織再編コンサルティング、相続・事業承継コンサルティング、経理アウトソーシング、決算早期化等に従事。
医院の新規開業支援、会計税務、医業承継・相続対策など、個人医院から大病院までをサポートしてきた医療分野での高い経験を生かすため、2019年7月大阪本部 本部長に就任。現在に至る。
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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