輝く組織 Shining Organization

もう我慢できません!私、このクリニック辞めます…退職者続出、常識では考えられない“モンスター院長”の横暴【医師が暴露】

もう我慢できません!私、このクリニック辞めます…退職者続出、常識では考えられない“モンスター院長”の横暴【医師が暴露】

※画像はイメージです/PIXTA

セクハラやパワハラなど、ハラスメントに対する世間の目が厳しくなっている昨今。業界問わず、こうした問題を防止する動きが広がっています。一方、業務の性質上閉鎖的な環境になりやすい医療業界にあっては、いまだにハラスメントを行う“モンスター院長”が存在します。都内でクリニックを経営する開業医の筆者が実際に見聞きした事例をみていきましょう。

▶「MedicalLIVES」メルマガ会員登録はこちらから
日々の診療に役立つコラム記事や、新着のクリニック開業物件情報・事業承継情報など、定期配信する医療機関向けメールマガジンです。

「ハラスメント防止」の意識高まるなか、依然存在する“モンスター”

クリニック経営は、立地やシステム、収益などももちろん重要ですが、スタッフや院長など、実際に業務にあたる経営陣との円滑なコミュニケーションに基づく運用が肝要です。

近年、世間ではパワハラ(パワーハラスメント)・モラハラ(モラルハラスメント)といった「ハラスメント」と呼ばれる概念に対しての意識が高まっていることから、こうしたハラスメント事件は以前より減少傾向にあります。

しかし、業務の特性上閉鎖的でストレスの多い医療業界では、現在でも、特定のスタッフに過度な要求をしたり、罵倒を行ったりする「パワハラモンスター」が存在します。

ここでは、筆者がこれまで多くのスタッフと接してきたなかで実際に見聞きした「モンスター院長」の実例を紹介します。

事例1)だから子どもができないんだ…「マタハラ常習犯」の高齢院長

少子高齢化が進行する2020年代、子どもを産み育てていく女性をサポートする法律や制度が整備されつつあります。これにともない、医療業界でもだんだんと育児を行うスタッフに対する理解が進みつつあります。
一方、高齢の男性院長などは、古い価値観がブラッシュアップされておらず、看護師や医療事務スタッフに対して「セクハラ」や「マタハラ(マタニティーハラスメント)」を行う人物が存在します。

内科クリニックの院長A氏(60歳)は、特定のスタッフに対して「いったいいつになったら妊娠するんだ」「そんな体型だから子どもができないんだ」などの暴言を吐いていました。
また、妊娠中のスタッフがレントゲン撮影を行う放射線区域内の入室について、「胎児に影響するため控えたい」と申し出たところ、「そんなことで流産するのであれば、使えない子どもだ」などと罵倒。
さらに、定期的な妊婦健診や、産前産後の休暇について相談したところ「そんなもの、たとえ法律で認めていたとしても、ここのクリニックでは認めない。無給にしてやる」と返されたそうです。

医療スタッフの大半は女性であるため、こうした母子保健に理解のない院長の下では、働くモチベーションは一気に下がります。
院長の言動はすぐさまスタッフ間で共有され、1人のスタッフが退職すると、その後わずか3ヵ月のあいだに約7割のスタッフが次々と退職。連鎖反応が起こりました。

事例2)強い野心と高い理想が裏目に…… “完璧”を求めすぎた若手院長の末路

とある県の中核都市で2院の内科クリニックを経営しているB氏(35歳)は、強い野心と信念を持ち情熱がある一方で、感情が安定せずスタッフにあたるという特徴がありました。

B氏は、自身が思い描く医療スタイルをすぐに実行できるような「即戦力」を求めます。そのため、一般的なクリニックであれば、入職から研修~業務に慣れるまでに3ヵ月ほどかかるところ、B氏のクリニックでは入職1日目から“使えるスタッフ”であることを求められました。

出勤3日目であっても、点滴のためのルート確保を1回失敗したことが発覚すると「お前の腕がなっていないんだ」と怒鳴り、出勤7日目に思うように処置が進まない様子を見て「教えられなくても、自分で考えて体を動かせ」と激高します。

また、自身の理想の実現のためであれば時間外労働や長時間労働も厭わない人物を求めていたため、「祖父が危篤のため、地方に帰りたい」と休暇を申請しても却下。時間外に検査オーダーがあったため残業代を請求すると「どうして残業したんだ。残業代は払えない」などという始末です。

理想があるのはいいことかもしれませんが、実際に働くスタッフは、技量や知識、業務遂行のスピード、人柄にいたるまで、千差万別です。

体育会系の診療スタイルを強要し、職員をねぎらう意識がないB氏のクリニックは、スタッフの入れ替えが3~6ヵ月以内とサイクルが早く、クリニックを利用する患者やスタッフの家族からも、スタッフを心配する声やネガティブな口コミが止まらないようです。

事例3)これからは僕の愛人に…身勝手な「セクハラ」が招いた最悪の結末

院長のなかには、特定のスタッフをひいきし、性的な言動や関係を強要する「セクハラ院長」も存在します。前提として、以下のような行為は「セクハラ」と捉えられる可能性があるため、控える必要があります。

・容姿を過度に褒める
・スタッフを「ちゃん付け」やニックネームで呼ぶ
・服装を過剰に指摘する
・プライベートで飲食店などに誘う

院長が従業員を食事に誘うというのは、立場が公平であれば慰労という観点で問題ないかもしれませんが、相手が看護師などスタッフなどの場合、パワハラやセクハラになる可能性があります。また、店舗は居酒屋やファミリーレストランなど周囲の目がある店ならまだしも、バーなどの暗い照明の店舗、個室で席の距離が近い飲食店などは注意が必要です。

整形外科クリニックの院長C氏(50歳)は、採用したDさん(26歳女性)に対して、あるときから恋愛感情を抱くようになりました。Dさんをあからさまにひいきし、容姿をジロジロと見つめては幾度となく「Dちゃん、綺麗になったね」などと過剰に褒めそやします。

ある日、Dさんが勤務中にミスをして、患者家族を怒らせてしまいました。C氏はDさんを院長室に呼び、指導を行うかと思いきや、驚きの発言をしたそうです。
「このことは内密にしてあげるから、これからは僕の愛人として付き合ってほしい。そうでなければ、君の処遇を検討する」。愛人になるか、クビになるか……。追い詰められたDさんは、震えた声で「……はい」と答えるしかありませんでした。

その後、C氏とDさんは金銭を媒介した援助交際のような関係を続けていたようですが、見かねた別のスタッフがある日、証拠写真を持って問い詰めました。
「こういう状況であれば、私たちもどのように立ち振る舞えばよいのかわかりません。スタッフの一員であるDさんとの関係をきっぱりと断ち切れないようであれば、私たちは全員退職します」。

最終的に、Dさんを含めてクリニックのスタッフは全員が退職。Dさんはこの一件について、労働基準監督局に報告を行いました。なにか対策を打とうにもあとのまつりとなったC氏は、代替のスタッフを採用できず、クリニックは2ヵ月の休診を余儀なくされました。

「スタッフからの信頼が経営を左右する」という意識を

配慮が欠けた言動は、本人としては“ささいなこと”と思うかもしれませんが、スタッフからの信頼を失ったクリニックは、退職による人材不足→環境悪化による患者数の減少→医業収入低下によりクリニック経営が難しくなるなど、最悪の連鎖反応を引き起こします。

業界を問わず、ハラスメント防止の意識が高まるいま、円滑なクリニック運営のためにも、まずは院長や経営者自らが自身の行動や言動を顧みる必要があるでしょう。

著者:
幻冬舎ゴールドオンライン(編集)
提供:
©  Medical LIVES / シャープファイナンス

記事紹介 more

セクハラやパワハラなど、ハラスメントに対する世間の目が厳しくなっている昨今。業界問わず、こうした問題…

都市部からアクセスのよい有名温泉はどこも芋の子を洗う混雑&近年は内容に見合わぬ高値で食指が動かない。…

大手企業がランサムウェア攻撃を受け、機密情報が盗まれるニュースが頻繁に報道されていますが、これらはテ…

日本には、例えば山椒、紫蘇、柚子、そしてショウガなど古くから特有の香辛料≒スパイスがありますが、これ…

近年、経営者の高齢化や後継者難などを背景に増加している「M&A」について、この流れは医療業界でも広が…

Leo & Luna (レオエルナ)は、イタリアはミラノにて高品質なペットベッドを作り続けるブランド…

医師が独立開業に踏み切る理由はさまざまですが、なかでも「もっと稼ぎたい」という理由から独立する人は少…

東京都、千葉県、神奈川県の3つの都道府県に面した広大な東京湾。(湾内には70以上の人口島があり、多く…

本人に代わって勤務先に退職の意思を伝える「退職代行サービス」。SNS等で話題となり、近年急激に需要が…