仕事に生きる Live in Work

もっと早く見直せばよかった!クリニックを支えるレセプト請求

もっと早く見直せばよかった!クリニックを支えるレセプト請求

画像はイメージです。

クリニックの収益を左右するレセプト請求について解説します。

クリニックを開設したものの、患者さんは増えたのに収益が思っているより増えない、今年の診療報酬改定がありよくわからないというクリニックからご相談を受けます。
レセプト請求を見直すことで収益アップするというコラムです。

レセプトチェックで収益が変わる!

クリニックの医事スタッフとしてレセプト請求に携わり、現在もご依頼を受けてアドバイスさせていただいております。

その中で断言できるのは、レセプトチェックをする人で請求金額が違うということです。
診療報酬は通常は2年に1度改定されますが、コロナ禍以降はその対応のために定例の改定以外にも頻繁に点数が改定しています。

そのため、医事のスタッフはもちろん先生にも知識を共有し、取りこぼしの無いように算定方法を見直すことで収益アップにつながります。

患者一人の単価を知ることが重要

患者さんは増えたのに収益が増えないといった悩みはありませんか?

血液検査を委託すると約50%の委託費がかかります。どうしても血液検査が必要な場合もありますが、そのなかで収益を上げていくには医学管理、処方箋料、処置料などの委託費がかからない点数を伸ばしていくことが収益アップに効果的です。

ですが、定期的に検査が必要な患者さんでも請求点数を工夫することも可能です。

たとえば、先日レセプトチェックのご依頼を受けてアドバイスをしたクリニックの例ですが、糖尿病で定期受診している患者さんを月に1回の受診として考えた場合、定期的に行う検査や注射等は包括されてしまいますが、出来高と生活習慣病指導管理料(包括点数)を比べると倍近く点数が高くなりました。

生活習慣病指導管理料を算定するに当たり、療養計画書の作成が必要となり先生にとって書類作成の負担は増えますが、同じ内容であれば最低でも4ヶ月に1回の作成で毎月受診の際に算定できるため包括点数での算定をするようにアドバイスさせていただきました。

もっと早く見直せばよかった!クリニックを支えるレセプト請求
もっと早く見直せばよかった!クリニックを支えるレセプト請求

このようにレセプト請求の構成を見直すことで収益改善につながる可能性があります。
クリニックを開設したものの、患者さんは増えたのに収益が思っているより増えないと感じているなら、レセプト請求について見直しをしてはいかがでしょうか?

収益を上げる知識を身につけるには?

収益を上げる知識や意識がないと点数は上がりません。

2年おきに点数が改定されると厚生労働省から公表されるほか、点数改定やレセプト請求について解説した書籍が出版されます。勤務中に読む時間があるならいいのですがクリニックの収益に対する意識が高くないとなかなか読むことはないかもしれません。

また、定期の改定だけでなく、コロナ禍以降はコロナに関連する点数が頻繁に改定されています。解釈が難しい点数の情報をいち早く手に入れるために診療報酬改定セミナーを医事スタッフに受講してもらうのも一つの手です。

医事スタッフに余裕がない場合は、業務委託をするのも手です。ですが、業者によってはエラーチェックのみしか行っていないところもあるため、レセプトチェックだけでなく収益が上がるアドバイスもしてくれる専門家に依頼をして、わからないことがあればすぐに質問できる環境を作ることが必要です。

もっと早く見直せばよかった!クリニックを支えるレセプト請求

ドクターと医事スタッフの連携

医事スタッフがわかることはドクターにはわかりにくく、ドクターがわかることは医事スタッフにはわかりにくいといった相対関係があります。

レセプト請求では1つの記入ミスで大きな損をしてしまう可能性が大きいです。
よく見逃しがちですが、病名漏れで減点されたレセプトの再審査請求は受け付けてくれません。

そこで、いつもクリニックにアドバイスしていることが2つあります。

1つ目は、ドクターから医事スタッフにそのクリニックでよく出てくる病名や薬についてレクチャーする機会を作ることです。医事スタッフ自体の経験があったとしても初めてチェックする診療科目のスタッフもいると思うので簡単なレジュメの作成をおすすめします。

2つ目はドクターと医事スタッフで毎月レセプトチェックの前後のタイミングで簡単なミーティングを行い、診療改定による診療方針の共有、この病名に対してはこういった治療を行っているなどドクターの情報をもとに診療のテンプレートを作成することをおすすめします。

医事スタッフとドクターが連携することで医事課の医療に対する知識の向上、また、ドクターとのコミュニケーションが取れることにより算定ミスも減ります。

レセプトは収益を左右するカギ

レセプトによってクリニックの収益が変わることがおわかりいただけたでしょうか?

医事課の仕事は受付対応や会計業務のみの仕事と思いがちですが、レセプト業務も担うため、クリニックの収益を左右するカギとなります。

これを機にクリニックのレセプト業務を見直しをしてみてはいかがでしょうか?

著者:
朝野美聖
日本医療保険事務協会 診療報酬請求事務能力認定(医科)
内科、皮膚科などのクリニックのレセプトの責任者として勤務後にしらかば行政書士法人に入社。
施設基準の手続きなどの他、クリニックへのレセプト改善のアドバイスを担当しています。

事務所概要
事務所名:しらかば行政書士法人・しらかば不動産鑑定
開設年月日:2005年3月
所在地:〒164-0001 東京都中野区中野4丁目1番1号中野サンプラザ9階
事業内容:医療法人設立、診療所開設などの医療業務、相続・生前対策業務、不動産鑑定業
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

記事紹介 more

なんとなく駐車場にしていませんか?特段活用する予定のない遊休不動産……「なんとなく駐車場にしている」…

クリニック数の増加にともなって生き残り競争が激化している医療業界。開業医には医師としての腕に加えて「…

”http”から始まるURLは危険かも? ホームページのURL の最初が、”http”から始まるUR…

医師が資産を守り増やすために適切な不動産 とは?不動産投資には、アパートやマンション、商業用などの物…

福利厚生と聞いて、思い浮かぶ制度はどのようなものでしょうか?慶弔給付、財産形成、各種補助といった現金…

承継対象毎に異なる承継方法と税務処理クリニックを第三者に承継する場合、クリニックの運営者が個人事業主…

開業医が保険を使って「退職金1億円」を準備する方法開業医の多くは高収入である一方、勤務医や通常の会社…

使役犬の活躍と今後の課題前回(リンク)は、高齢者とペットの共生によるメリットについてご紹介しました。…

いい組織とはなんでしょうか?組織をクルマに例えると、人は車輪であると考えます。組織に所属する人が同じ…