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土曜日午後から出発する1泊2日の大阪旅。~平日番外編~
平日の休暇に大阪旅を楽しむなら、ちょっとマニアックな博物館に訪れてはいかがだろうか。
伝統医学の発展を学べる「はりきゅうミュージアム」は、鍼灸の奥深さやおもしろさを実感できる貴重な施設。
レアな資料も展示され、見どころ満載だ。未だ知らない医療の世界を体験してみたい。
鍼灸などの伝統医学を学べる唯一無二の博物館
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2001年にオープンした日本で唯一の鍼灸博物館「はりきゅうミュージアム」。
鍼灸・漢方・柔道整復にまつわる道具や看板、浮世絵、書物など、様々な資料を公開し、これまで日本が歩んできた伝統医学の歴史を今に伝えている。そのコレクションはどれも貴重かつユニークなものばかりで、非常に興味深くおもしろい。
例えば時代ごとに作製されたリアルな“ツボ人形”や、病気に関する予防法や養生法をわかりやすく描かれた古画、馬の治療に活用された馬経大全(馬のツボ)、骨関節疾患・損傷に関する単行書など、古の人々が伝統医学に基づいて病気を治療、予防しようとした軌跡を垣間見ることができる。
こんなに希少な資料を展示できるのは、ミュージアムの母体である森ノ宮医療学園専門学校が創立以来4半世紀にわたり、鍼灸・柔道整復の研究に役立てたいと資料を収集し続けたからこそ実現できるというもの。おかげでまだ知らない伝統医学の魅力に触れることができるのはとてもありがたい。
さぁ、まだまだ伝統医学の奥深さを学び、鍼灸の世界に飛び込むとしよう。
ひと際目立つようにデザインされた“くすり看板”に興味津々
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ミュージアムの中で最初にあらわれるのは、平安時代の医師・丹波康頼像。
鍼博士・医博士として活躍し、わが国現存最古の医書「医心方」を作り上げたのだという。いわば伝統医学のご先祖様と言っても過言ではなく、どこか神々しい存在のように見える。
順路を進めていくと中国・日本の伝統医学の年表が登場し、日本の伝統医学がどのように形成されてきたのかを知ることができる。明治時代に入ると西洋医学が主流となるが、未だ漢方や鍼灸による治療が行われているのは、この歴史あってのほかならない。
さらに突き進んでいくと、インパクト大の“くすり看板”に遭遇。
研究員の横山さん曰く「薬を宣伝するための看板は江戸時代末期から大正時代にかけてたくさん作られ、レトロモダンなデザインが特徴的。文字が読めない人でも絵で覚えてもらえるよう、動悸・息切れの薬には心臓のハート、腹痛の薬には鬼が用いられるなど、イメージしやすいように工夫されていました」とのこと。
また病気は体の中で毒がある状態と思われていたため、下剤も多く服用されたという。改めて見ると、お洒落にさえ感じられる看板たち。当時の製薬会社の光るセンスに脱帽した。
浮世絵にて垣間見る、当時ポピュラーだった灸治の様子
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次に私の興味を引いたのは、様々なシーンがおもしろい浮世絵の数々。江戸時代から発達した浮世絵は、庶民に浸透していた灸治を題材とする作品も多く、ミュージアムでもたくさん展示されている。
特に浮世絵師・月岡芳年による浮世絵の連作「風俗三十二相」の中にある「いたさう(いたそう)」「あつさう(あつそう)」は、女性が入れ墨をされて痛そうにしている表情や灸をすえて熱そうにしている表情をリアルに表現。こちらにまでそのつらさが伝わってくるから不思議だ。
そのほか、母親が両足を使って子供をおさえ、ツボに灸をすえている小児灸の浮世絵などもあり、医師に診てもらう以外にも病気を防ぐために家庭で灸を用いられていたことが想像できた。このように灸をすえて化膿させ、それが治ると体調が治ると信じられていた時代。
いささか荒治療のような気もするが、病気と体のツボは切っても切れない関係だったのだろう。それにしても痛みが弱い私にとっては、医学が進歩している現代に感謝せずにはいられない。
少し変わったポーズもご愛嬌。様々な銅人形の魅力に触れる
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最後にトリを飾るのは、ミュージアムでも代表的な存在である「佐賀竹田家伝銅人形」。
銅人形とは経穴人形の古い呼び方であり、外からは見ることができない経絡・経穴を視覚的に把握するための教材とされてきた。体中にいくつものツボがマークされ、作成には気の遠くなるほどの時間がかかったのだろう。このようにミュージアムではいくつかの銅人形を所蔵し、年代によって体型や表情が異なるのがおもしろい。
中にはかの有名なテレビ番組で鑑定し、多額の価格がついたものもあるそうで、関心深く見ていると愛着が湧いてきそうだ。
館内はそこまで広くないものの、ひとつ1つの展示品にストーリーがあり、気づけば時間もあっという間。医療・医学の発展に関わる者として一度は必ず訪れたい場所。私たちの今後の仕事に、重要なヒントを与えてくれる、そんなミュージアムなのだろうと確信した。
- 施設名称
- 学校法人 森ノ宮医療学園
はりきゅうミュージアム
- 住所
- 大阪市東成区中本4-1-8
- 電話番号
- 06-6976-6889
- 開館時間
- 13:30〜18:30(入場は18:00まで)
※電話にて要予約
- 休館日
- 土・日・祝および学校休校日
- 著者:
株式会社OFFSTYLE 木村 沙陽子
デザイン・プロモーションを手掛ける株式会社OFFSTYLE勤務。編集のできる記者として人物インタビューや企業、飲食店の取材などを行う。これまで情報誌や旅行誌はもちろん、医療関係から行政まで幅広いジャンルの媒体を担当。
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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