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早めの対策で万全に クリニック事業承継Q&A

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早めの対策で万全に クリニック事業承継Q&A

画像はイメージです。

次世代に個人クリニックを承継するには?

現在、クリニックを順調に経営されている開業医の皆様においても、いつかは事業承継の問題が発生します。
事業承継は、親族のご不幸など、ある日突然の出来事で発生することもあれば、経営者である院長自身の引退で発生する場合まで、要因はさまざまです。
いずれの事由にせよ、手続きは煩雑になることが多く、税務の観点からも複雑であり、事前準備なく対応すると大きな損失を被る可能性があります。
このため、可能な限り早い段階で事業承継を意識しておき、その方法や関連する税務問題に留意しておく必要があります。
個人クリニックにおける事業承継方法と、税務およびその留意点を解説します。

資産の移転・名義変更

個人クリニックの場合、資産、負債、各種契約のすべてが個人事業主名義になっています。そのため、子どもが承継する場合、不動産、医療機器など個々の資産を親から子へ売却、贈与、相続、賃貸する必要があります。
リース契約の場合は契約名義の変更を行い、金融機関からの借入金が存在する場合は、その名義を変更する必要があります。

廃止届と開設届

承継側は開設届、被承継側は廃止届を保健所に提出する必要があります。これは、親子間の承継であっても、例外なく必ず行わなければならない行政手続きです。単なる口頭ベースでの引継ぎでは認められないことに留意が必要です。

患者・スタッフ・取引業等への伝達

現院長との雇用契約を終了し、新院長が各スタッフと新しい条件で契約を締結し直さなければなりません。スタッフは一旦退職となるため、退職金の取り扱いが問題になる可能性があります。

承継手法と税金

個人事業承継では、承継方法の選択により税の負担者、負担額が異なります。後継者が確定した段階で、どの資産をどのタイミングでどの手法で承継させるか(承継するか)を慎重に計画することが大切です。

a.親が子へ不動産(病医院の土地・建物等)、医療機器を譲渡する方法
親側に税金がかかります。税率は、分離課税の譲渡所得税と住民税で所得に対して20%または39%となります。この場合、承継する子は譲渡代金の支払い資金の確保を考慮しておく必要があります。

b.親が子へ不動産(病医院の土地・建物等)、医療機器を賃貸する方法
親側に税金がかかります。税率は、他の所得と合算で所得税及び住民税で15%から55%となります。

c.親が子へ不動産(病医院の土地・建物等)、医療機器を無償で譲渡する方法(生前贈与)
子側に贈与税がかかります。

d.親が亡くなったことで、子が不動産(病医院の土地・建物等)、医療機器を受け継ぐ方法(相続)
子側に相続税がかかります。相続税が発生した場合には、納税資金の確保問題が発生します。なお資産の承継を贈与または相続で行う場合には、一定の要件を満たすことで課税の特例を受けることができます(個人版事業承継税制)。

次回は、医療法人や第三者承継(M&A)について解説していきたいと思います。

著者:
北島潤一
北島公認会計士・税理士事務所 代表

<企業概要>
北島公認会計士・税理士事務所
住所:〒150-0046 東京都渋谷区松濤1-26-16-202
TEL&FAX:03-5761-6807
URL:https://kitajima-taxcpa.com/
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

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