輝く組織 Shining Organization

クリニック開業前に知りたい!オープニングスタッフ採用方法と集患対策とは?【税理士が解説】

クリニック開業前に知りたい!オープニングスタッフ採用方法と集患対策とは?【税理士が解説】

※画像はイメージです/PIXTA

クリニックの開業場所が決まり、次のステップとして考えられるのは、「オープニングスタッフの採用」と「クリニックの集患対策」です。ここにいかに力を入れられるかどうかが、クリニック開業を成功させる重要なポイントとなっています。そこで今回は「オープニングスタッフの採用手順」や、「集患方法」について、日本クレアス税理士法人/執行役員 中川 義敬税理士に解説いただきます。

1.採用の手順と面談時のポイント

採用手順は、【1】採用計画の作成【2】労働条件の決定【3】募集【4】面談となります。

【1】採用計画の作成
応募媒体で求人広告を出し、いつ面接をするか、いつ研修をするか、スケジュールを組みます。同時に、職種ごとの採用人数や正社員とパートの人数、どのような資質の人を採用するか計画しましょう。

【2】労働条件の決定
給与・賃金、勤務時間、社会保険の加入の有無、服務規律、残業手当など、採用の際には労働条件の明示が求められます。面接時において求職者に説明ができるよう準備が必要となります。

【3】募集
3~4ヶ月前から募集を開始するのが一般的です。開業1カ月前から研修を行うことが多いため、遅くとも研修開始までには採用を完了させましょう。

【4】面談のポイント

・志望動機を聞く
クリニックの採用に限ったことではありませんが、志望動機は重要な判断ポイントです。志望動機は、面接で聞かれやすいことと容易に想定できる項目であるため、その項目に対してきちんと準備をしているかどうか、やる気やコミュニケーション能力の判断材料となります。

・退職理由を明確に
前職の退職理由は必ず聞きましょう。ある程度仕方のない理由であるのか、そうでない理由であるのか、今後も同じ理由で退職することを避けるためにも確認しておくことが大切です。

・配慮すべき質問に注意する
採用差別の観点から、本人の適性や能力に関係のない質問については配慮する必要があります。面接者本人から話す場合には問題ありませんが、家族の職業・思想・労働組合への加入状況などの情報について聞くことは避けた方が良いでしょう。

2. 内覧会の手順・ポイント

クリニックの見学会である内覧会は、近隣住民へのアピールの場であり、そこから口コミへ繋げるマーケティングの活動として意義があります。

<手順>
・日程決め
多くの人に来院してもらえる時間を設定するとよいでしょう。開院の直前の土日が望ましいです。

・告知
地域の方に内覧会の告知をしましょう。近隣住民へのチラシ配布やポスティングが効果的です。

・お礼の品の準備
内覧会では記念品としてノベルティを準備することが多いです。具体例としては、荷物にならず、実用的なボールペンやタオルなどがあります。

・スタッフの研修
内覧会当日、スタッフがスムーズに対応できるように対応方法や案内の導線について研修をしましょう。

< ポイント>
内覧会の目的を明確にしましょう。「院長・スタッフの人柄を伝えたい」「開業前の予約獲得」など具体的な目的を設定し、スタッフと共有することが重要です。目的に沿った想定質問を準備し、スタッフと共有するのも良いでしょう。

3. クリニックの広告の種類・戦略の立て方

クリニックが認知されていないと、開業後に患者が集まりません。そのため、計画的に広告・宣伝をおこなうことが重要です。

● 看板
駅広告などの看板は人の目に触れる機会が多いため、広告宣伝としての効果は大きいでしょう。

● ホームページ
患者さんはクリニックで診療を受ける前にWEBで検索することが一般的となってきており、今やクリニックの必須ツールとなっています。予約方法や先生の紹介など伝えたい情報を伝えることができるため、医院の認知につながります。

● 検索サイト
クリニックを探す際、場所や診療科目等様々な条件で比較することができるため、クリニック探しでよく使われるツールの一つです。口コミ機能があるサイトもあるため、実際の評判を確認してクリニックを選択する人も多いです。

● その他
上記以外にもパンフレットや電車の広告・フリーペーパーのオフラインによる広告、LINEやGoogleを活用したオンラインの広告など、様々な種類があるため、認知を高めたい・深く知ってほしい等、クリニックの戦略にあった広告を選択しましょう。

ただし、上記の各広告については、「比較優良広告」、「患者の主観に基づく体験談の広告」、「誤認の恐れがある治療等の前・後の写真の広告」などは医療法で規制されているため、掲載内容について十分な注意が必要です。

著者:
日本クレアス税理士法人
執行役員/中川 義敬 税理士(近畿税理士会所属)

【経歴】2007年税理士登録、2009年に日本クレアス税理士法人入社。
現在に至るまで、東証一部上場企業から中小企業・医院の税務相談、税務申告対応、医院開業コンサルティング、組織再編コンサルティング、相続・事業承継コンサルティング、経理アウトソーシング、決算早期化等に従事。
医院の新規開業支援、会計税務、医業承継・相続対策など、個人医院から大病院までをサポートしてきた医療分野での高い経験を生かすため、2019年7月大阪本部 本部長に就任。現在に至る。
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

記事紹介 more

クリニックや医療法人は課税所得が高く、税務調査が入りやすい業種といわれています。しかし、開業医のなか…

労働人口の減少に歯止めがかからぬ昨今、医療業界も例外なく深刻な「人手不足」にあえいでいます。人手不足…

まもなく迎える紅葉深まる秋のお出かけシーズン。ワンちゃんとお散歩するのも良いけれど、今年はちょっと違…

訪れた家庭で本格フレンチなどの作り置きを3時間で15品以上ふるまうことから、伝説の家政婦としていくつ…

今回は、富士通Japan株式会社よりコラムを提供いただきました。富士通Japan株式会社は、「Fuj…

今回ご紹介する作品は、2019年3月発行の喜多川 泰18作目の書き下ろし小説『運転者〜未来を変える過…

2020年初頭から長きにわたって流行した新型コロナウイルスによって、我々は生活スタイルの抜本的な変化…

オンライン診療の登場をはじめ、医療業界にはさまざまな変化が生まれています。こうしたなか、「患者がクリ…

「カスタマーハラスメント」とは、サービス業等における顧客からの理不尽なクレームや暴言・暴力行為のこと…