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元気な内に考えておきたい。介護施設の入居保証人のこと。

元気な内に考えておきたい。介護施設の入居保証人のこと。

画像はイメージです。

多くの介護施設では入居時に保証人を必要としています

保証人を頼める人がいない、家族がいても保証人は頼みにくい、などの理由で施設の選択肢を狭めてしまわないように、考えておきたい介護施設の保証人について解説します。

契約時に初めて気が付くケースも

介護施設への入居契約書には、入居者名と保証人名の記入欄があります。
多くの介護施設では保証人が必須で、契約書へのサインの段階になって初めて気が付いて、入居の障壁となってしまうケースがあります。

元気な内に考えておきたい。介護施設の入居保証人のこと。

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保証人を求められるケースは施設の9割

みずほ情報総研が行った「介護施設等における身元保証人等に関する調査研究事業」では、以下のような調査結果が出ています。

元気な内に考えておきたい。介護施設の入居保証人のこと。

出展:みずほ情報総研株式会社「介護施設等における身元保証人等に関する調査研究事業」2018年3月 
調査実施:2017年12月 対象:特養、老人保健施設、有料老人ホーム等 2,387施設

9割以上の施設で保証人等を必要とし、その内、約3割の施設では保証人等が取得できない場合は入居を断っているといいます。入居したいと考えた施設は高確率で保証人を必要としていると考えられます。

身元保証人の役割とは?

多くの方は、自身の子どもや親族の方に身元保証人をお願いします。いわゆる「身元保証人」とは法的根拠があるものではないため、身元保証人に求められる役割は施設によって様々です。しっかり契約書を確認し、どんな役割が求められているのか確認することが重要です。下記のような内容が例として挙げられます。

・施設利用料金の支払、滞納の場合の保証
・損害賠償等の債務の保証
・年金管理など、ご本人の日常的な金銭管理
・亡くなった場合のご遺体・遺品の引取り
・緊急時(事故等)の連絡先 など

いざという時に「そんなこと聞いていない」とならないように、保証人の方といっしょに内容をしっかり確認することが必要です。

金銭の保証には極度額の設定が必要

加えて、2020年4月1日に保証に関する民法のルールが大きく変更されました。

「極度額(上限額)の定めのない個人の根保証契約は無効」
出展:法務省、「2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります」

保証人が支払の責任を負う金額の上限となる「極度額」を定めなければ、保証人としての「施設利用料金の支払、滞納の場合の保証」の役割は無効になるということです。極度額は「月額3ヶ月分」などの曖昧な表示は無効であり、「150万円」などの明確な数字で定めなければなりません。

この改正により、安易に保証人を引き受け、保証債務が無上限に膨れ上がるおそれがなくなり、保証しなければいけない金額が明確になりました。
一方で、施設入居時には入居者や保証人が保証額を再度認識することで、保証人に依頼することや保証人を引き受けることを躊躇し、保証人が見つからないというようなケースも発生しています。

保証会社の利用という選択肢

少子高齢化や核家族化の影響で、保証人となり得る家族がいない、非同居親族に保証をお願いしたくないと考える方が増えています。

上記のような方向けに「保証会社の利用」という選択肢があります。賃貸住宅入居時の保証契約と同じように、施設入居時の費用の保証をしてくれる会社を利用する方法です。保証契約を結んでおけば、もしもの場合には保証会社が支払ってくれるため、保証人に負担をかけることもありません。

入居者も、保証人もハッピーなカタチで入居できるように、多くの選択肢から最良の方法を選べるようにしておきたいですね。

著者:
シャープファイナンス株式会社 ニュービジネス企画部
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

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