都市部からアクセスのよい有名温泉はどこも芋の子を洗う混雑&近年は内容に見合わぬ高値で食指が動かない。…

都市部からアクセスのよい有名温泉はどこも芋の子を洗う混雑&近年は内容に見合わぬ高値で食指が動かない。旅の醍醐味「日常から離れる解放感」は短い休診の隙間では無理!
…と、あきらめている皆さま、実はあります。土曜午前の診療が終わって、飛行機に飛び乗れば上がる旅気分。そして着陸30分以内には浴衣で別世界の海や山の湯煙に抱かれる穴場の温泉たちが! この記事では、忙しい皆様の命の洗濯、心のストレッチ。そんなソラチカ温泉街の魅力を、紹介していきます。
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日本で一番空港に近い温泉街で、漁火の輝く湯煙とお寿司の競演【函館空港から車で5分・湯の川温泉】
日本で1番空港に近い温泉街として名前の挙がる、函館空港から車で5分から10分、函館湯の川温泉。歴史的には函館山や元町の中心街と比して『函館の奥座敷』と呼ばれたエリアですが、今や空港至近。空には巨大な旅客機が次々と滑空する、歴史ある温泉街とのギャップがまた良いのです。
湯の川温泉発祥の函館市電・湯の川電停周辺から始まる温泉街は、江戸松前藩から続く和の風情。そして海沿いには老舗から大きなホテルまで立ち並ぶ温泉街らしい風景の漁火通り。その中で特別感ある癒しの宿なら『割烹旅館 若松 』。堂々たる風格の入母屋屋根の構えに自家源泉の湯の湧く東屋を見やり、館内へ渡ると眼下に広がる美しい海景に日々の疲れが溶けていきます。また海を目前にする露天付大浴場で波の音と潮風に吹かれる湯あみは格別です。

『割烹旅館 若松』からは全室、津軽海峡を贅沢に眺める (Photo:割烹旅館 若松)
海沿いの宿の夜は、温泉や部屋から漁火が遠く近くに光る夏から秋。函館の夜景の輝きに、冬は海に湯に降る雪を愉しむ。朝は津軽海峡の向こうに青森大間、手前に函館山の山容が眺められ、夕陽もまた絶景。
宿泊エリアから徒歩圏には、地元民もお勧めの『鮨処木はら』。津軽海峡を背にした窓からの絶景より、絶品の寿司が目を奪う罪な美味。おおらかな大将が繰り出す品々は「函館に来てよかった」と心から思えます。お夜食や晩酌むけに函館市民のソウルフード『ハセガワストアのやきとり弁当』(やきとり=豚串焼き)を買って帰るのも函館旅の風情です。

函館山と水平線に揺れる漁火の眺望は、ひそかに人気の函館「裏夜景」。湯の川からも楽しめます(Photo:はこだてフィルムコミッション)
翌日は、路面電車の函館市電やタクシーに乗っての五稜郭や十字街へのアクセスも良く、朝市での朝食や古く新しい街並み散歩を楽しめます。ホテルに荷物を預けてきているなら、空港へ向かう前に湯の川に戻り、電停沿いのクラフトビール醸造所併設ビアバー『エンデバー』へ。タップに繋がれたフレッシュなビールとおつまみ、走る市電の風情に旅の余韻を楽しむのもお勧めです。

【交通の目安】
東京羽田からだと土曜は16:45のANA/JAL両便であれば18時過ぎには空港着陸ですからタクシーに乗り、19時までには温泉orお寿司で夢心地になれます。
【函館湯の川温泉info】
『割烹旅館 若松 』:昭和天皇もお泊りになった大部屋を彫像品などをそのままに再現した重厚な特別室や海景に触れる温泉は、別格。
『鮨処木はら』:電話での予約は必須。お勧めは「おまかせ握り」12貫。都内なら三倍の価格では済まない仕事の新鮮な函館ネタを堪能できる。
『ハセガワストアのやきとり弁当』:函館市内に10店舗を構える市民のソウルフード。「やきとり」だが鶏肉ではなく豚肉というのが道南文化らしさ。
『エンデバー』:奥に醸造タンクが見えるカウンターで、タップから注ぎたてのクラフトビールのグラスを傾ける。到着の一杯にも、名残の一杯にもどうぞ。
日本海の海の幸と山の幸、どちらもあります【庄内空港から車で10分湯野浜温泉/25分の湯田川温泉】
山形は庄内平野。米どころであり山は出羽三山の山伏文化、海は日本海の海鮮料理。そしてそのどちらにも、素晴らしい温泉が「空港至近」であるのは庄内空港の強み。
まずは空港から車で10分、海の温泉『湯野浜温泉』。多くの宿は料理自慢で海沿いならば「日本の夕陽百選」にも選ばれた日本海の夕景を眺める温泉が売りなはず。日本海に開けた長い砂浜は、マリンスポーツでも人気のリゾートです。
泉質は海に近い塩化物泉、開湯1000年。天喜年間(1053~58)に、亀が海辺で湧き出す湯の中で傷を癒していたという伝承から。
その伝説を由来とした創業200年以上の老舗『亀や』改め『KAMEYA HOTEL』は、目の前に広がる日本海と夕陽の素晴らしさは当然のこと、芯から温まる泉質を、冬でも心行くまで楽しめる露天風呂や、また一部の特別室は現代の建築家やデザイナーによるコンセプトルームで滞在ごとに新しい経験があります。

コンセプトルームのひとつ「あかがね」日本海の夕日を眺める部屋付き温泉(Photo:KAMEYA HOTEL)
また湯野浜温泉のエリア自体の取り組みとして、かねてから提供していた庄内地方の郷土料理や食材でのおもてなしを、常にリードしているKAMEYA HOTEL。
夕食は懐石スタイルでのフレンチや江戸旅などのテーマでゆっくり、地酒や地元のワインと共に味わい、朝食は庄内のおこめ「つや姫」を食べるためのおかずをたっぷり並ぶバイキングスタイルやお部屋食でいただけます。

目にも楽しい品数を少しずつでもたくさんでも、ともかく白米「つや姫」が進みます!(Photo:KAMEYA HOTEL)
チェックイン後はお籠りも推奨ですが、翌日や早めの到着には温泉街から車で10分ほどの鶴岡市立加茂水族館への訪問もお勧め。世界一のクラゲ水族館の名に相応しい巨大水槽での群舞や常時80種類以上(2025年3月時点)の生体展示や研究に、見栄えの美しさに終わらない楽しさがあります。工夫を凝らしたクラゲや海洋生物のお土産コーナーにも注目です。
※2025年11月~翌春までリニューアル休館予定。再開後はクラゲ生体100種類展示を目指すとのことで、休館前後の見比べ訪問も是非!

一万匹の水クラゲの群舞、迫力、それだけじゃない加茂水族館(Photo:つるおか観光ナビ)
そして山の温泉は空港から25分、鶴岡の奥座敷と呼ばれる『湯田川温泉』。開湯1300年以上の歴史ある温泉地は小ぢんまりと、しかし多くの文人を呼び寄せてきた名湯。豊富な湧出量を誇る硫酸塩泉のかけ流しが自慢で、各旅館のほかに2か所の共同浴場の存在や、土用丑の日の丑湯治と湯田川温泉神楽といった温泉にまつわる独自文化が魅力的です。

九兵衛旅館山の湯、湯船の隅にウサギもぬくぬく(Photo: 九兵衛旅館 )
中心的な存在は江戸中期の創業、湯田川温泉屈指の老舗『九兵衛旅館』。どの季節も庄内の食材にこだわった料理が楽しめるが、やはり5月に旬を迎える孟宗竹のタケノコを使った『孟宗料理』が有名。同時期に「孟宗祭り」があり、毎朝茹で上がる孟宗筍の甘い香り、また孟宗竹に酒を注ぎ温める『カッポ酒』もここならでは。
ちなみに鶴岡市はユネスコ食文化創造都市に日本で唯一選ばれた街なのです。

5月は孟宗竹のタケノコ料理の旬、朝掘りの孟宗汁。宿に毎朝、甘い香りが立ち込める(Photo: 湯田川温泉観光協会 )
翌日の観光には足を延ばせば羽黒山、その手前には旧庄内藩士が開墾した松ヶ岡開墾場に新たに拓かれた新進気鋭のワイナリーレストラン『ピノ・コッリーナ・ファームガーデン&ワイナリー松ケ岡』もお勧めです。月山を背景にしたブドウ畑を眺めながらの食事、自然派のワインたち。店内にてワインや庄内の食材の揃うマーケットがあり、お土産や晩酌に良い品が揃っています。

夏はまばゆい緑、秋にはブドウ畑の紅葉に冠雪の月山(Photo:つるおか観光ナビ)
【交通の目安】
東京羽田空港から庄内空港は、ANA便のみですが16時発に搭乗で17時に空港着。車で向かえば山でも海でも、18時にはとっぷりと温泉の湯のなかです。
【湯野浜温泉・湯田川温泉info】
HOTEL KAMEYA:老舗の看板を背負い、伝統と共に新たな取り組みを続ける湯野浜温泉のエース。ホスピタリティ溢れるもてなし、湯と食に癒され切ってください。
鶴岡市立加茂水族館:ギネス記録のクラゲの種類と美しい展示や学びのコーナー。釣り好き館長によるレシピ付き日本海水槽の魚たちも良い味。
九兵衛旅館:露天風呂のある山の湯、大水槽に艶やかな金魚が泳ぐ川の湯の温泉に、季節の庄内料理へのこだわりが楽しめ、深い鶴岡愛を感じます。
孟宗祭り:旬の5月に開催される孟宗竹の朝掘りタケノコを各旅館で趣向を凝らした料理や定番の孟宗汁で楽しめます。
ピノ・コッリーナ・ファームガーデン・ワイナリー松ケ岡:月山を背景にしたブドウ畑の風景は圧巻。自然派のワインもそれぞれの個性を生かしたペアリングする料理も景色に負けません。
趣向を変えて、太平洋に遊ぶ鯨を眺める温泉の島【八丈島空港から15分~30分の町営温泉各所】
温泉は島にもあります。手軽に行ける東京の南国アイランドリゾートの八丈島。
こちらは「温泉宿」こそなけれども、羽田から1日3便の飛行機であれば55分で到着。島内6か所にある個性的な町営温泉で、運が良ければ冬場は温泉から鯨のジャンプが見えるかもしれません。
島内でレンタカーまたはタクシーで、空港からそれぞれの温泉には直行で12分から25分ほど。無料の秘湯『裏見ヶ滝温泉』は自然の中のためシャンプーやせっけん使用禁止、また混浴のため水着着用ですが、滝を見下ろし森の香りの中の開放的な温泉。末吉地区の『みはらしの湯』は海に大きく開け、夜は満天の星空の中での露天風呂が魅力です。

末吉・みはらしの湯。露天温泉からの太平洋に鯨も遊ぶ?(Photo: 八丈島観光協会l以下写真全て )
到着して温泉に直行であれば、空港から車5分の『八丈ストア』で島寿司を買って小腹を満たすのも良し。べっこう色のネタは種類が多くメダイやカンパチのほかにトビウオやサワラもあります。ワサビではなくカラシを乗せた、島の味は必食。

八丈島に来たら一度は食べたい島寿司!旬の魚を漬けにして、カラシがアクセント。岩海苔もクセになります
お宿も素朴な民宿から、南国リゾート風、高台にそびえるホテルとバラエティに富んでいるので趣向によって選ぶ楽しみがあります。外に出るなら季節によりますがホエールウォッチングやスキューバなどの海遊び、トレッキングや八丈富士の登山とアクティビティもたくさん揃っております。島内に点在する釣り宿のリピーターも多く、カンパチやムロアジ、ハタ、ヒラマサと釣って楽しい食べておいしい魚種がそろいますので、釣果は旅のお土産にも!
もちろん自然はホテルからゆったり眺め、のんびりしてから森の中のカフェ『空間舎』で静かな時間を過ごす、OFFな休日もお勧めです。

運が良ければ島からも。でもやはり船でのホエールウォッチングは迫力満点!
【交通の目安】
午前の診療が終わってから、15:55羽田発のANA便で16:50には空港着です。時間がゆっくりある人は、東海汽船の橘丸に乗って一晩の船旅も旅情がありますね。こちらは夜22時半に日の出桟橋を出て朝9時前の到着、帰りは9時40分発の19時東京着。帰りの昼便は海を見ているとトビウオの群れやイルカに遭遇することもあります。
※末吉地区や山の中では携帯がキャリアによって電波難の場所もあるので、計画が決まったら使用キャリアのサイトから通信状態の確認をお勧めします
【八丈島info】
町営温泉:島内で6か所に散らばる町営温泉は、どれも個性趣向が違うのでぜひ、気になる湯を巡ってお気に入りを見つけてください。
『みはらしの湯』:町営温泉の中でも最東端で太平洋を望む露天風呂は、夜は満天の星空、冬場は鯨が見れることもあるという絶景の湯。
『八丈ストア』:空港からほど近い、中規模のローカルスーパーマーケット。お惣菜の種類が多く、特に島寿司は島内外ともにファンが多い!
『空間舎』:緑のトンネルをくぐり、千畳岩海岸から歩いていくと現れる、落ち着くモダンなギャラリーカフェ。おいしいカフェメニューに夏場のかき氷も人気。
東海汽船の橘丸:柳原良平氏のデザインが目を引く大型フェリー。船内に「アンクルトリス」ギャラリーもある。三宅島、御蔵島、八丈島を1日1往復でゆったりと繋ぐ。夜の出航時の夜景、昼の航行中の魚や海鳥も楽しい。部屋の等級は個室以外では特二等がお勧め。
いかがでしょうか、飛行機に乗ってしまえばもうすぐそこに楽園は広がっています。
個性的な名湯、ご当地の美食、地域文化をそろえて、軽くも深くも楽しめるこのソラチカ温泉旅。思い立ったらまず航空券を取ってから考えても遅くありません!

八丈富士は登っても、眺めても良し。飛行機も心なしかゆったり島時間。
- 提供:
- © Medical LIVES / シャープファイナンス
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