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クリニック院長婦人の役割

クリニック院長婦人の役割

画像はイメージです。

院長夫人の“ゆううつ”な立場

院長夫人の役割、「あれもこれもやること多くて大変なのよ」「加えて公私ともに一緒だからストレスたまり放題よ」なんて言われそうですが、その通りですよね。
私のところに定期的に電話をかけてくる院長夫人がいます。相談というより、大半がスタッフの不満やら愚痴のような話が大半で30分ほど話しをして、たまっているものをリリースするために電話をかけてくることがあります。
身近な人には言えず無難な外部の人ということでしょうか。 
家庭においても職場においても院長の補完者としての立場は相当ストレスだと思います。
でも、自分に与えられたmissionとして取り組んでいきましょう。
院長夫人の6つの習慣として以下参考にしてください。

院長夫人の6つの習慣

1.院長理念の啓発者

いきなり固い内容ですが、これまでの経験でここが大事です。
考え方のより所がキチンとしているかどうか大事です。
いわゆる“軸”があることで施設管理がしやすいということです。
もし、これを読んでいる夫人で「うちにはない」ということでしたら院長と一緒に理念をつくりましょう。
あっても活用されていないようでしたら理念の見直しと活用を考えましょう。

2.職場の空気づくりと声かけ

院長夫人の不機嫌は禁物です。
不機嫌は職場環境を緊張させミスやクレームが増加します。不機嫌は環境破壊と考えましょう。
「ストレス溜まっているから自然に顔に出るのよ」と思うかもしれませんが、そのストレスは別なところで発散しましょう。
厳しいようですがそれが院長夫人の大きな役割です。
スタッフは院長及び院長夫人の顔色を感じています。ご機嫌レベルを維持しつつ、スタッフひとり一人への声掛けを習慣づけましょう。
スタッフは声掛けを待っています。

3.ルール、マニュアル整備

職場のルール、役割はつくりましょう。
ルールとは挨拶や報連相、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)等の職場における決め事です。
役割は施設内外の清掃の分担や物品購入、備品管理等、インシデントレポートをまとめる係等です。
それぞれ何らかの責任を負ってもらうことで院長夫人の役割が軽減されます。
接遇や業務等のオリジナルマニュアルも必要です。新しく入ってきた人の育成に役立ちます。

4.コミュニケーションの場づくり(育成)

医療はチームで動いていますので定期的に話し合う場を作りましょう。
朝会として朝礼を行っているクリニックもあります。
午後の診察が始まる前の15分ミーティング等意思の疎通の場を持っているところもあります。
院長ひとりでやっているわけでありませんので全員参加体制を取ることは大切です。

スタッフ育成は院長夫人の最重要課題です。
医療職は専門職であり、資格職です。
しかし、地域の患者からすると資格を持っているかどうかは関係ありません。
患者としての自分にどれくらい親切に対応してくれるかという人間性の問題があります。
「採用⇒継続的育成⇒評価」の流れをつくることです。

5.人事評価と個別の面接

人は評価されたいと思っています。
クリニックは患者から、スタッフは院長から院長夫人からと人間関係は評価で動いています。
簡単な目標管理と評価制度を作っておきましょう。
そして定期的に個別の面接です。
この場合、可能である限り院長が面接をしましょう。
院長夫人は事前準備とその立ち合いです。
育成と評価はセットとなっていますので、クリニックの個々のスタッフに期待する内容は明確にして伝えましょう。

6.専門職間とネットワーク

会計事務所に経理を見てもらっていると思います。
ただし、すべて会計事務所に任せず、収入の内訳、患者の動向(再診、新患、地域等)、経費動向、無駄はないか、必要なコストはかけているか等きちんと見ておきましょう。
クリニック経営の結果は数字で示されます。
数字を見る目は養っていきましょう。
それ以外にもリスク管理として弁護士、労務給与問題等では社会保険労務士、メンタル問題ではカウンセラー等こうした専門職、近隣の医療施設、さらに医療機器や医療備品の仕入れ先、リース会社や金融機関とのネットワークを周辺に作っておくことも大切です。

さいごに

院長夫人の6つの習慣を上げました。
難しく考えないでください。
そして小さいクリニックだから関係ないと思わないでください。
施設の規模は関係なく、地域の人たちの健康を支援する大切な役割を負っていると考え、そのための職場づくりと考えてください。
直接的には病気を見ることになりますが、その人の生活全体をみる“生き方支援”の最先端という誇りを持ち、院長・スタッフと一緒により良い職場を作りましょう。

著者:
ミック研究所 佐藤茂則
心の学び舎日本メンタルサポートアカデミー🄬代表
医療施設はチームで動いています。チーム活力向上のスタッフ教育、モチベーションアップの人事制度や患者とのより良いリレーションの医療カウンセラー講座などを中心に活動しています。
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

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