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院長夫人がやっている。繁盛クリニックの秘訣

院長夫人がやっている。繁盛クリニックの秘訣

画像はイメージです。

繁盛クリニックをめざして

今回は医療CSの着眼からアメニティーとホスピタリティーを考えてみたいと思います。
CSは顧客満足(customer satisfaction)を表しています。
アメニティーは物的環境、ホスピタリティーは対人サービスです。患者はアメニティーもホスピタリティーも視覚的にとらえています。

アメニティ―(物的環境)

医療施設でよく使われる言葉に、ホスピタリティーとアメニティーという言葉があります。以下のような内容です。

 ・アメニティー:心地よさ、快適性を表しています=物的環境

 ・ホスピタリティー:おもてなし、心からの思いやり=人的関係性

医療施設におけるCS(customer satisfaction顧客満足)は上記2点から評価されることになります。

クリニックをオープンする時に物的環境は空間のデザイン、備品、椅子、色、配置、クリニックの絵画等おそらく院長と院長夫人の要望を専門家に依頼して工夫されたと思われます。
そして、明るく、さわやか、心地よさを患者は視覚から入る情報でその印象を形成します。

この時、「良い感じ」と意識して受け止める患者もいれば、意識しなくても無意識に受け止めていることは確かなのです。

物的環境は患者の目でチェック必要です。
定期的に患者アンケートを取ることも大切です。アンケートは良いことの確認以上に課題点に気が付くきっかけになるでしょう。多くの医院を見てきた経験から、用紙を渡して回答してもらうよりも直接聞くのが関係性向上の点からもからも直接話法が良いと感じています。

但し、直接言いにくい点もありますのでアンケートと併用と合わせて実施してみましょう。

物的環境において患者が一番気になるのはトイレ周り、水を使うところに患者の目が集まる傾向にあります。一番敏感に気づくところですので日ごろから十分に気をつけましょう。クリニックは、清潔が一番です。

院長夫人がやっている。繁盛クリニックの秘訣

上図は良く使われているメラビアンの法則ですが、印象形成において人は大半が視覚の影響ということになります。
これはアメニティーもホスピタリティーも一緒だと受け止めてください。アメニティーからみますと聴覚におけるBGMも効果的です。

この法則の中に臭覚はありませんが、アロマを使ってかすかな“におい”も効果的です。

アメニティーは物的環境を5Sで押さえることがポイントです。つまり、整理整頓・清掃清潔に加えて習慣化です。内部で役割をきめて進めると良いと思います。さらに5Sのルールをつくる、マニュアル(誰がどこを、どのように、いつ等の手順書)をつくることである程度の歯止めをかけることが出来ます。

ホスピタリティー(対人サービス)

ホスピタリティーはアメニティー(物的環境)と異なり対人サービスの在り方を指しています。

どのように自分に接してくれるかということです。ホスピタリティーは関係性を表しています。自分とスタッフとのつながりにとても敏感な患者心理、自分にどう対応してくれるか、ということを敏感に察知しています。
ホスピタリティーマインドは以下のような3つのポイントがあると考えましょう。

●関心と受容  受け入れていますよ、という心構え
●オープンマインド
●配慮 具体的な態度、言葉かけ、傾聴姿勢

下図(ジョハリの窓)は人間関係のつながり方を4つに区分して表しています。

院長夫人がやっている。繁盛クリニックの秘訣

オープンの公開の窓は相互理解の共有の窓です。この窓が小さくなればなるほど閉鎖的な施設と感じて患者は去っていきます。
医療施設では公開の窓を広げるためにはインフォームド・コンセント(医療者からの説明と患者からの同意と納得)が重要です。

盲点の窓はクリニック側が知らなくて患者が知っている窓です。この窓を小さくするためには先に挙げたアンケートによりフィードバックを受けることがそのひとつの方法となります。

秘密の窓はクリニック側が知っていて(治療に関すること)患者側が知らない窓です。この窓を小さくするために患者の立場に立って丁寧に説明、自己開示することになります。

未知の窓はクリニックも患者も知らない窓です。潜在意識や、発見できていない領域です。個人の成長や、化学、治療技術の成長により顕在化します。

ジョハリの窓は、オープンな窓を育てることをねらいとしています。繁盛クリニックは公開の窓がしっかり開いているということになります。

繁盛クリニックとなるための7つのキー

これらを踏まえて、繁盛クリニックを目指すための7つのキーポイントを挙げてみます。

(1) 物的環境は5Sと仕組み(役割分担とマニュアル)を作りましょう。

(2) 笑顔の応対につとめましょう。関係性は親しみを感じることから始まります。

(3) 患者の目を見て話を聴きながら対話に努めましょう。

(4) 良くうなずき、あいづちを打ちながら対話しましょう。

(5) 患者がみる関係性は、スタッフと患者だけではなくスタッフ間の関係性も気になるものです。スタッフ同士でも言葉遣い、態度に気をつけましょう。ドクターが患者には良くてもスタッフに対しては命令口調・・・患者としては印象は良くありません。

(6) アメニティーもホスピタリティーも入口はマニュアルですが出口は患者個々に合わせたノンマニュアルです。

(7) 以上を定期的にモニタリングして育成図るのが院長夫人です。

アメニティー、ホスピタリティーによる患者の動き

以下はアメニティー、ホスピタリティーによる患者の動きを表しています。繁盛クリニックを目指して全員で明るい窓を広げていきましょう。

院長夫人がやっている。繁盛クリニックの秘訣
著者:
ミック研究所 佐藤茂則
心の学び舎日本メンタルサポートアカデミー🄬代表
医療施設はチームで動いています。チーム活力向上のスタッフ教育、モチベーションアップの人事制度や患者とのより良いリレーションの医療カウンセラー講座などを中心に活動しています。
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

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