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どうやって、あの先生はクリニックを譲ったのか

どうやって、あの先生はクリニックを譲ったのか

画像はイメージです。

近年、ニュースや新聞などでM&Aや事業承継というワードをよく見掛けます。

後継者を見つけることは難しい課題です。
後継者問題を解決できず、クリニックが閉院となれば、クリニックで働いている従業員の雇用維持が出来なくなります。
また、これまで足を運んで頂いた患者さんにとっても悲しい出来事になるでしょう。
事業承継はどんな医療機関でも考えておくべき課題となりますので、以下の事例をご参考に少しでもイメージ頂ければと思います。

事例1:親子間継承において税負担を抑えた事例

(背景)

開業より25年、一人医師で順調に患者数を増やしてきた理事長は、同じく医師となったご子息に出資持分ありの医療法人を承継する予定にしていました。
しかし、承継のために出資持分の評価額を算出したところ、想定以上に高くなっていることを知ります。このままではご子息が負担する税金が多額になってしまうことを悩んでいました。

(選択した手段)

認定医療法人制度を活用して事業承継を行いました。
出資持分を放棄することで出資持分の移転等に伴う贈与税・相続税が免除されます。

(ポイント)

認定医療法人は円滑な承継に寄与する目的で作られた制度です。
出資持分のない医療法人へ移行することで、ご子息に大きな金銭的負担がなく継承することができました。
出資持分の評価額は理事長が予想しているより高くなるケースも多いので、事前に顧問税理士と相談しておく必要があります。
また、出資持分のある医療法人とない医療法人の違いやメリット・デメリットについても親子で確認しておく必要があります。

事例2:新規有床診療所開設が難しい地域での譲渡先と譲受先のニーズが合致した事例

(背景)

地域でも評判のクリニックでスタッフの定着率も非常に高い有床のクリニックです。
ご自身のライフプランを考えた際に健康なうちにご子息への承継を検討していたが、ご子息は自身で無床クリニックを開業したいと聞かされ、第三者への継承を行いました。

(選択した手段)

事業の拡大、分院展開ニーズがある医師へ出資持分譲渡を行いました。

(ポイント)

譲受先が個人医院であることから出資持分譲渡を選択しました。
承継後も前理事長が1年間残留、その期間に新しい医師の採用と患者や業務の引継ぎを実施しました。
有床クリニックの買収ニーズはあります。事業展開をしていきたい個人医院にとっては医療法人化と併せて病床の取得は魅力的でした。
また、相談頂いたタイミングが前理事長の勇退希望のタイミングより早かったことから、一定期間残留頂き、補充医師の採用や医院内の組織変更など十分に準備期間を設けることが出来ました。

事例3:第三者へ持分なしの医療法人を承継した事例

(背景)

基金拠出型の医療法人では、当初の拠出額しか受け取ることができません。
利益余剰金については譲渡対価としては受け取ることが出来ず、閉院する場合には、国などに寄付しなければならない仕組みです。自身の勇退と閉院を検討した場合に、退職金としての受け取りも検討しましたが、退職所得控除額を大きく上回る多額の内部留保(現金同等物等)があり、どの様に適切に受取るか悩んでいました。

(選択した手段)

第三者に事業承継を行い、数年間、勤務医として給与所得を受け取りました。

(ポイント)

持分なし医療法人は持分対価といった概念が無いことから、これまで積み上げてきた利益剰余金を単純な譲渡対価として受け取ることはできません。
一般的には慰労退職金の支払となり、退職金の税制優遇枠を超える支払には多くの税金が生じます。
第三者にクリニックを事業承継した際に、譲渡条件として退職所得控除額限度までの退職金支払、並びに勤務医として雇用継続を盛り込み契約を交わしました。
これにより、退職慰労金の支給と数年間は給与を受け取りながら勤務しました。

引継ぎ後も前院長が残留したことで患者離れがほとんど無く、円滑に行う事が出来きました。

事業承継の3つの事例をご紹介しました。
医療機関にとって、事業承継は避けては通れない問題です。承継が上手くいかず、そのまま廃業となってしまうと、今まで事業を支えてくれた従業員、患者様にとっても悲しい状況となります。
遠い将来の事と捉えずに、自身の状況を踏まえ、適切な事業承継ができるように、情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

著者:
株式会社CBパートナーズ
スーパーバイザー 山根 瑠太郎
提供:
© Medical LIVES / シャープファイナンス

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