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相続の混乱を避けるために…開業医の遺言書作成のポイント【弁護士が解説】

相続の混乱を避けるために…開業医の遺言書作成のポイント【弁護士が解説】

開業医として日々の診療に追われる中で、相続について考える時間を取るのは難しいかもしれません。しかし、クリニックや事業資産を次世代に円滑に引き継ぐためには、遺言書の作成が欠かせません。相続人が複数いる場合、遺言書がないと相続の過程で混乱やトラブルが生じることがあります。本記事では、開業医の皆様が相続の混乱を避けるために知っておくべき遺言書作成のポイントを新日本綜合法律事務所の大迫弁護士が詳しく解説します。安心して未来を見据えるための第一歩を踏み出しましょう。

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開業医が亡くなった場合、金融資産、不動産はもちろん、個人でお持ちのクリニックの土地建物や設備を含めた事業用資産も相続の対象となり、相続人に引き継がれます。もっとも、相続人が複数いる場合は、相続人の共有となるため、事業運営に支障が生じる場合があります。

そこで、遺言を作成することによって、誰に、何を承継させるのかを決定しておき、このような支障が生じないようにしておくことが可能となります。

遺言には、

①自筆証書遺言
②公正証書遺言
③秘密証書遺言

の3種類があります。

①の自筆証書遺言が作成されることが多いですが、有効となるための形式的な要件が厳格に定められており、それを遵守する必要があります。この形式的な要件が満たされていない場合は無効になってしまいますし、実際にそのようなケースも少なくありません。

また、遺言の内容により不利益を受ける相続人から、遺言書作成時の遺言者の意思能力の欠如(認知症等)を理由に、遺言が無効であるという主張がなされる場合もあります。さらに、遺言の内容が不明確な場合は、遺言で意図する法的効力が生じない可能性もあります。

相続の混乱を避けるために…開業医の遺言書作成のポイント【弁護士が解説】

このようなリスクを回避するために、弁護士が関与する場合に多くなされるのが、②公正証書遺言です。

公正証書遺言は、公証役場の公証人(裁判官や検察官のOBが大半です。)が作成する遺言です。公正証書遺言は、公証人が作成しますので、形式的な要件の欠如を理由に無効となることはありませんし、内容についても公証人のチェックが入りますので、正確性が確保されます。

また、公証人が遺言者の意思能力の確認も行いますので、意思能力の有無が争われる可能性は格段に低くなります。さらに、公証役場に記録が残りますので、紛失や隠匿があっても、相続人が内容を確認することが可能です。

このように、公正証書遺言にはたくさんのメリットがありますので、遺言をなされるご予定の方は公正証書遺言の作成を検討されてはいかがでしょうか((③秘密証書遺言はほとんど利用されませんので、説明を割愛しました。)。

公正証書遺言の作成は、文案の確定から概ね2週間~1か月程度で可能です(公証役場の混み具合によります。)。

なお、弊所で公正証書遺言の作成をお手伝いする場合の費用は、20万円~(消費税別)となっております(具体的な金額は、内容の複雑さにより決定しております。)。

著者:
新日本綜合法律事務所 弁護士・中小企業診断士 大迫 雅 

現在、大阪弁護士会や全国倒産処理弁護士ネットワークなどに所属し、企業法務、事業承継・相続問題、不動産問題、事業再生、刑事弁護など幅広い分野で活躍している。
中小企業や上場企業の訴訟、事業再生、不動産関係紛争、相続関係紛争、契約締結交渉、労働関係紛争、知的財産関係紛争の解決にの実績。豊富な実績を有する。

新日本綜合法律事務所 ホームページURL:http://nj-law.jp/index.html
提供:
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